浅野撚糸×スタイレム 戦略的パートナーシップ締結
2026年05月18日 (月曜日)
撚糸・タオル製造販売の浅野撚糸(岐阜県安八町)とスタイレム瀧定大阪(大阪市浪速区)は、独自撚糸や生地の開発を軸とする戦略的パートナーシップを締結したことを発表した。共同開発による生地ブランド「SORAITO」(ソライト)を軸に、国内だけでなく海外のハイメゾンに向けて訴求を強める。
“オールジャパンで、世界に通じるモノ作り”を合言葉に、ファッション向け生地の供給と、それに適合した独自撚糸の開発を進める。浅野撚糸はタオル向けを主とした撚糸供給に関するパートナーシップを5社と結んだが、今回の戦略的パートナーシップは異なる。撚糸供給だけでなくファッション向け素材・製品の開発や、海外市場への開拓を共同で推進する。
浅野撚糸は独自技術による、かさ高性とソフトな手触りを持つ特注の撚糸を供給する。スタイレム瀧定大阪は原料から組み立てる企画開発力と、市場を的確に分析する情報力を生かし、国内の生地作りや染色整理企業の技術と関係性を駆使する。両社の強みを凝縮したオリジナル生地のソライトを備蓄販売しながら、アパレル製品のOEM受託や製品展開も視野に入れる。
パートナーシップの発表は浅野撚糸・双葉事業所(福島県双葉町)で行われた。東日本大震災で甚大な被害に見舞われた双葉町で生産した撚糸を使用し、復興への思いも込める。浅野撚糸の浅野雅己社長は「夢のような日が来た」と感無量な表情で話した。パートナーシップ締結について「この組み方が日本の繊維産業を刺激する。日本の繊維産業は戦えることを証明したい」と続けた。
スタイレム瀧定大阪の瀧隆太社長は「浅野撚糸が双葉町で大きな撚糸工場を運営することは、とんでもない挑戦だ」と敬意を表した。今後は「オールジャパンで技術力を結集し、世界に通じる高付加価値な商材として販売していきたい」と、思いを表した。
国内繊維産業の技術を結集 「SORAITO」
独自生地ブランドとして訴求する「ソライト」は、国内産地の生地作りや染色整理の技術を生かす。ウール、綿、キュプラ、ポリエステル短繊維を中心に使用し、備蓄生地の販売を始める。ソライトの生地を使用した製品OEM受託も進めている。
ソライトは天竺、ミニ裏毛、パイルといった4種類の綿使い編み地を備蓄する。いずれも和歌山県の企業が編み立てる。これとは別にメリノウールを独自撚糸加工したリブや天竺の開発も進めている。
織物の開発・販売も進行中だ。綿織物の産地である泉州、遠州の企業を中心に製織する。播州での生産も視野に入れる。撚糸はいずれも、かさ高性を付与しつつ、アパレル用途に向く耐久性や抗ピリング性を持つように開発された。
開発を主導したスタイレム瀧定大阪の金島一裕副部長は「妻が浅野撚糸のタオルを使用していて、良さを実感したことから開発を進めた」と話す。今後はファッション向けを中心に、スポーツの要素を融合させた分野への販売も進める方針を示す。





