繊維ニュース

この人に聞く/日本化学繊維協会 会長 内川 哲茂 氏/同じ目線で議論できる

2026年05月19日 (火曜日)

 マレーシアのペナンで開催された「第15回アジア化繊産業連盟会議」に参加した日本化学繊維協会の内川哲茂会長(帝人社長)に会議での成果や印象について聞いた。(ペナンで宇治光洋)

――今回の会議の印象は。

 アジア地域は、各国それぞれがいろいろな事情を抱えていることから、何事も共同歩調をとるのが難しいケースが多い。しかし、アジア化繊産業会議では〝サステイナビリティー〟がテーマとなったことで同じ方向を向きやすくなっています。サステはアジア全体が協力できるテーマです。アジア各国の繊維産業は、いずれも欧州の環境規制強化や欧州主導の第三者認証制度といった共通のプレッシャーにさらされているからでしょう。結果的に〝欧州対アジア〟という構図になってしまっていますが。

――会議ではリサイクル、特に繊維to繊維(T2T)リサイクルに焦点が当てられました。

 ちょうど20年ぐらい前の日本の状況と似ています。繊維を含む廃棄物の国際移動が規制されている以上、リサイクルも地産地消的な取り組みとならざるを得ません。各国とも努力していますが、そこで各国とも回収・分別などT2Tの社会実装へのハードルを理解することが重要になると思います。それを通じて今後の方向性も定まってくるでしょう。その意味で日本は既に繊維企業でコンソーシアムを結成し、T2Tの社会実装に向けたトライアルを始めました。そこでの経験をアジア各国に提供することに大きな意味があります。

――共通の認識に基づいて議論することができると。

 実際にアジア各国の目線が以前よりもそろってきていると実感しました。サステに関するテーマに限らず、さまざまな課題に対してアジア各国の化繊産業が対等な立場でしっかりとした議論を交わすことができる状況になっているということも今回の会議で強く感じました。