東洋紡 繊維事業 資産効率高めて高収益

2026年05月21日 (木曜日)

 東洋紡は、引き続き繊維事業の資産効率を高め、高収益体質への転換に取り組む。4月から繊維本部長に就いた黒木忠雄常務執行役員は「国内の生産体制再編も進んだ。これらを生かして今後、どうやって生き残っていくかが繊維事業の課題」と話す。そのためにエアバッグ基布事業、衣料繊維事業、アクリル繊維事業ともに「中身を変えることで資産効率を高め、利益を拡大する」ことに取り組む。

 同社の繊維事業は、2025年度(26年3月期)の売上高が896億円(前期比8・6%減)ながら営業利益12億5400万円(132・4%増)となり、収益力は回復傾向にある。黒木常務執行役員は「これまで国内でのエアバッグ原糸やポリエステル短繊維の生産を停止し、衣料繊維の紡織・染色加工も国内は庄川工場(富山県射水市)に集約するなど再編を進めた」と話す。そのため「規模は小さくなったが資産効率は高まった」と、事業の体質改善が進んだと分析する。

 エアバッグ基布事業も中国子会社を帝人フロンティアに売却し、米国の販売子会社も解散を決めるなど構造改革を進めた。タイの石油化学大手、インドラマ・ベンチャーズ傘下企業との合弁によるタイでの一貫生産体制を軸に事業展開する体制が整った。

 使用資本を圧縮したことで、今後は利益拡大を重視し、総資産利益率(ROA)を引き上げることが基本戦略となる。「規模を追求するのではなく、小粒でも利益面で存在感を発揮することが繊維事業の目標」と話す。

 収益が低迷しているエアバッグ基布事業も黒字化のめどが立った。採用に必要な認証の取得が遅れていたが、ここにきて認証取得も進みつつあり、原糸生産のタイ合弁会社の稼働率も26年度は50%程度となり、27年度には70~80%まで高まる見通しだ。これによりエアバッグ基布事業は26年度下半期から半期ベースで黒字浮上し、27年度は通期でも黒字を確保できるとする。

 衣料繊維と一部産業資材を担う東洋紡せんいも、引き続き資産効率を重視した事業運営に取り組む。アクリル繊維事業を担う日本エクスラン工業は25年度で衣料用を中心とした汎用(はんよう)品の自家生産を停止し、高機能品や産業資材用途を中心とした生産販売体制に移行する。そのために設備の再編を進めており、こらも資産効率を重視した事業運営に取り組む。