学生服のリユース広がる/環境と経済の両側面から支援
2026年05月22日 (金曜日)
新型コロナウイルス禍に起因する混乱から脱却したのもつかの間、中東情勢の緊迫により合成繊維をはじめとした原材料の高騰が学生服業界を直撃している。学生服メーカーは、効率化などの自助努力を進めることと併せて、学生服のリユースで環境と経済の両側面から学校生活を支援する。(光元 徹)
今春の入学商戦の納品は順調に進んだ。コロナ禍のロックダウン(都市封鎖)や国内生産キャパシティーの逼迫(ひっぱく)などによる納期問題を踏まえて、各社が生産の前倒しや効率化を図ったことで、納期改善に成果が得られ、コロナ禍以後の混乱から脱却したと言えそうだ。
ところがここへきて、次なる問題が発生している。中東情勢の緊迫化とそれに伴うホルムズ海峡の封鎖により、合成樹脂などの原料となるナフサの価格が高騰する“ナフサショック”は、学生服へも影響するのは必至だ。
ナフサ由来原料は、学生服の生地や服飾資材などのさまざまな材料で使われている。それぞれを染める染色加工場でもボイラーを稼働させるための重油が高騰していることに加え、染色に使う溶剤なども高騰している。一部運送会社で運賃のサーチャージを検討しており、物流経費の上昇も見込まれる。
製品への価格転嫁は2028年度以降になると見込まれるが、これまでは短くとも5年以上の間隔で値上げが実施されてきた慣例がある。コロナ禍以後のインフレ加速による原価上昇を転嫁する値上げを実施したばかりのメーカーにとって、慎重なかじ取りが求められそうだ。
学生服メーカーは、環境に配慮したさまざまな取り組みに加えて、学生服のリユースで経済的な側面から学校生活を支援する。価格が上昇する学生服を入学時に買う経済的余裕がない人をサポートする狙いがある。
菅公学生服が提供している同じ学校の保護者同士が制服や体育着を売買できるフリマサービス「ゆにのわ」はこのほど、採用校が100校を超えた。
使用しなくなった制服などを再活用できるプラットフォームで、環境問題への貢献や保護者の経済的負担の軽減を目指す。
明石スクールユニフォームカンパニーは、学生服のリユース、リサイクル事業の「Re―Ring AKASHI」(リリングアカシ)と連携する学校が100校を超えた。
連携校で制服を回収し、クリーニング、修繕、検品、仕上げを行った後、新品よりも安価で販売する。制服買い取り販売業者が適正な制服か理解しないまま販売をするケースもある中、学生服メーカーが認定するという安心感から採用につながっている。
トンボは同社が供給する学生服向けに、伊藤忠商事が運用する学生服、学用品専門のCtoC売買仲介サービス「学リレ」の取り扱いを本格化する。売買が可能となる学校は来年4月時点で約10校になる見込みだ。
学リレは、学生服、学用品電子商取引(EC)サイトの「学校生活」を介した、学校関係者に利用を制限したCtoCの売買を可能とするサービス。匿名性を担保した上で学校関係者以外に流出することなく、同じ学校に所属する生徒の保護者間で売買することができる。





