特集 スクールユニフォーム(4)/探訪 学生服の現場から/生徒一人一人に個別最適化/修文学院高校

2026年05月28日 (木曜日)

 修文学院高校(愛知県一宮市)は一人一人の生徒に合わせ、個別最適化した教育に力を入れている。私学では珍しく、普通科に加えて、専門学科が3科あり、生徒の多様な進路に応えてきた。長らく女子高だったが2022年に男女共学化し、併せて制服を刷新。「地域に根差した学校づくり」という考えの元、制服には地元である尾州の生地を採用した。変化が激しい社会環境の中だが今後も多方面に活躍できる人材を輩出し続ける。

〈国家・社会に貢献する人材を〉

 1941年に一宮女子商業学校として開校した同校は創立以来、「国家、社会に貢献する人材の育成」に取り組んできた。社会環境やジェンダーに対する考え、地域社会のニーズが移り変わる中、2022年に共学化へかじを切った。それ以降、生徒数は増え続けており、現在は1320人の生徒が在籍する。

 生徒の多彩な進路に応えられる環境を整えている。普通科は国公立大・難関私立大の合格を目指す「特進クラス」、部活動にも力を注ぎながら志望大学の合格を目指す「進学クラス」の2コースを用意。専門学科は情報会計科、家政科、食物調理科の3科をそろえ、多様な学びの場を提供する。

 生徒に合わせた個別最適化した教育を重視する。タブレット端末によるICT(情報通信技術)を活用した教育はもちろん、理解度や習熟度に対応した指導を進めることで、生徒の多彩な進路希望に寄り添う。実績にも表れており、25年3月に卒業した共学化「第1期生」は14人が国公立大学への合格を果たした。

 専門学科は地域や企業との連携による教育活動を進めている。被服について学ぶ家政科は、尾州を発信するイベント「ビシュウフェス」や「ビシュウコレクション」で作品を披露。食物調理科も地元の行事に参加するなどして地域との一体感を強めている。

 部活動や年間行事も多岐にわたる。部活は運動部、文化部合わせて25部あり、全国大会へ出場する部も少なくない。昨年の体育祭は中日ドラゴンズの本拠地であるバンテリンドームナゴヤで開催。広々とした空間で、全力で運動を楽しむ生徒たちの姿があった。今年もドームで開催する計画だ。

〈男女共学化合わせ制服刷新〉

 22年4月の入学式前の早朝。「桜が咲く正門の前で新しい制服を着ている男子生徒を見た時は感動した」。当時の光景が鵜飼保年校長の目に焼き付いている。男女共学化に合わせて制服を刷新し、最初の生徒を迎えた。「制服は学校を表す最たるものの一つ」とし、制服刷新に向けて入念な準備を進めてきた。この日の入学式は同校が新たな歴史を歩み始めた瞬間でもあった。

 男女共学化に合わせて刷新した制服は以前のものと比べて大きく変化した。長らく女子高時代が続き、制服はセーラー服だったが、「学校が劇的に変わる中でブレザー型に踏み切った」(鵜飼校長)。ブレザーであればパンツスタイルに合わせやすいため、性的少数者(LGBTQ)への配慮も考えての判断だった。

 制服リニューアルに向けて、家政科の教員が中心となり検討委員会を設けた。教員同士で議論を重ねた上で、学生服メーカーによるコンペを実施し、最終的にはトンボが提案する「イーストボーイ」の制服に決めた。その後は色柄などの詳細を詰め、学校説明会で中学生を対象とした投票も行った。

〈尾州産の生地を採用〉

 特徴は一宮市の地場産業である尾州産のウール生地を採用した点だ。地域に根付く学校として生徒に郷土愛を育んでもらうとともに、地域からも愛される制服を考えた。尾州で製造されたことなどを示す「尾州マーク」の認証も得た。イーストボーイの制服と尾州のコラボレーションは全国初だ。

 制服を刷新する上でこだわったのは、共学として新たなスタートを切る同校にふさわしいイメージだった。ブレザーはネービーで、ネクタイやリボン、エンブレムはシルバーで統一し、りりしさと上品な華やかさを表した。スカートはホワイトとネービーのタータンチェックを採用した。

 酷暑化に対応し、夏はシャツ、ポロシャツを選ぶことができる。制服だけでなく体操服もリニューアルしており、昇華転写プリントによるオリジナルデザインが特徴だ。薄手ながらも防風性に優れ、コンパクトなサイズになるため持ち運びも便利だ。

 新制服は市内で大々的に披露した。名鉄一宮駅前にあった名鉄百貨店一宮店入口のショーウインドーで展示。同市では22年から中学校の制服をブレザーに変更した経緯もあり、同校の新制服も多くの市民から注目を集めた。