特集 スクールユニフォーム(12)/素材メーカー/機能で学校生活を支援/東洋紡せんい/協同/東海サーモ/島田商事

2026年05月28日 (木曜日)

 素材メーカーは、機能素材で快適な学校生活を支援する。暑さ対策や安全性の向上、学生服や体操服を作る上で欠かせない技術など、多角的な視点から開発に取り組んでいる。環境に配慮した素材のラインアップも増やし、2022年から高等学校で始まった、「総合的な探究の時間」へとつなげる試みも進められている。

〈高付加価値素材を拡販/海外一貫で柔軟供給/東洋紡せんい〉

 東洋紡せんいは、独自の素材開発力と東洋紡グループの海外拠点による一貫生産体制を生かし、高付加価値素材の拡販に力を入れる。「お客さまの困り事を解決する」提案で、採用拡大につなげる。

 学販向けの売上比率は編み地が6割、織物が4割を占める。夏の長期化を背景に編み地が好調に推移している。高通気と防透け性を兼ね備える「レイブロック」は酷暑対策として改めて注目を集める。吸水速乾性とストレッチ性に優れる「Zシャツ」も堅調で、快適性や動きやすさを求める学校現場のニーズを捉える。

 織物分野では、新商品を投入しながら拡販を図る。中東向け民族衣装用生地の技術から着想し開発した「ToV(トーブ)シャツ」は、速乾性やノーアイロン、耐久性などの機能に加え、仕立て映えする外観の良さも併せ持つ。見栄えを重視する学校向けに訴求し、採用拡大を目指す。

 ポロシャツや体操服向けでは、編み立てから染色、縫製まで対応できる東洋紡グループのインドネシア拠点を活用する。これまでは日本製生地の代替生産という側面もあったが、現地での「日本式のモノ作り」を生かし、高付加価値な商品開発にも力を入れる。

〈名入れを手軽で簡単に/貼るだけで耐家庭洗濯100回/協同〉

 服飾資材製造卸の協同(岡山県倉敷市)はこのほど、貼るだけで家庭洗濯100回に耐えるマーク付け「ラクネ」を発売した。刺しゅうや捺染の加工場が減少していく中で学生服などの名入れの代替となる手法として開発した。

 特殊なのりを採用し、シールのように離型紙から剥がして貼りつけた後、10回程度擦って24時間経過するだけで定着する。名入れで主流の刺しゅうや捺染を施す上での手間や制約を回避できて、作業者や場所を選ばない。

 織りで図案を表現する「レピア織りネームタイプ」、基布を選んで印刷で表現する「セレクトタイプ」、フルカラー印刷で小ロット生産にも対応する「コスパタイプ」を展開。シルクスクリーン捺染も施せる反射材や面ファスナーを貼り付けワッペンを着脱できる「機能性タイプ」もそろえる。

 文字やロゴを印字できる印刷機も販売する。価格は30万円以下の予定。80×24㍉の基布500枚のロールが5万円、50×24㍉の基布500枚のロールは3万7千円で販売する。

〈ユニフォーム用機能性芯地/環境配慮型商材も提案/東海サーモ〉

 芯地・副資材製造卸の東海サーモ(岐阜県大垣市)は、ユニフォーム分野に向けた機能性芯地の提案を強化する。

 新たに打ち出すユニフォーム用高耐久性芯地「RG」シリーズは、接着強度を高め、織物やニットを問わず多様な表地との組み合わせを可能にした。

 ストレッチ性のある基布を使用したため、表地の風合いへの追従性にも優れている。スタイリッシュで機能的なデザインへの取り込みを推奨する。

 高耐久性の接着樹脂の採用により、水温60度までの洗濯を可能にし、長期間の着用にも対応する。

 33デシテックスの「RG3000」と56デシテックスの「RG5000」の2品番をそろえた。いずれもポリエステル100%。

 同社は、環境保全に貢献する商品の自社ブランド「サーモフィックスゼロ」の品ぞろえの拡充を図りながら、多方面に提案を進めている。ユニフォーム分野でも環境に対する意識が高まっていることから、ユニフォームメーカーに向けても、サーモフィックスゼロの商品群をはじめ環境配慮型商材を積極的に提案していく。

 納品後のフォローも重視し、縫製現場のプレス機での温度・圧力条件を確認した上で、最適な接着条件を提示する。

〈グローバルに資材供給/レーザー加工バッチ開発/島田商事〉

 副資材製造卸の島田商事(大阪市中央区)は、長年にわたり構築してきた国内外の拠点網を生かし、服飾資材調達のグローバル対応を強めている。

 国内生産が中心である学生服業界でも、近年海外生産の事例が増えている。同社は、これまで培ってきた海外ネットワークを生かし、資材の一括輸出に加え、現地で必要となる資材の手配を進めている。中国に加え、ベトナムでも一般的な服飾資材を現地手配できる体制を整えており、タイ、インドネシアでも対応品目の拡充を図る。

 学生服市場は海外生産の広がりに伴い、現地での資材供給へのニーズが高まりつつある。同社では国内外の拠点を連携させることで、ニーズに対応する体制を整える。

 岡山支店では学校制服向けにこのほど、校章バッチとして使用できるレーザー加工バッチをラインアップした。バッチ製造工場の減少、原材料費の高騰、型代など初期費用負担増が課題となっていた。

 レーザー加工を活用することで型代、バッチ価格を抑えながらも細かなデザインを表現できることが特徴で、引き合いが増えつつある。9種の形状と3種の裏ネジ仕様から選ぶことができ、色はメタルカラー6種とラッカーカラー14種を展開する。