ごえんぼう
2026年05月29日 (金曜日)
10年ほど前に95歳で亡くなった祖母は着物好きだった。呉服屋を営んでいたせいもあるが、店を畳んだ後も毎日着ていた▼5月29日は「呉服の日」。季節ごとに着物を替えていた祖母の姿がよみがえる。6月になると裏地のない麻などの単衣(ひとえ)に衣替え。盛夏には、透け感があり通気性の高い絽(ろ)や紗(しゃ)といった薄物をまとい、湯上がりには浴衣で涼んでいた▼現在の和装市場は約2千億円規模とされ、長期的には縮小傾向にある。それでも茶道や華道などを通じて和装をたしなむ若い人が増え、薄物をあつらえる人も出てきた。花火大会や夏祭りでの浴衣だけでなく、外国人観光客や若者のレンタル着物による街歩き需要も底堅い。SNSでは洋風な着こなしやリメイクの発信も盛ん。レンタルとリサイクル市場も下支えする▼着物は一部趣向を変えながら今も息づいている。久しぶりに浴衣に袖を通してみようか。





