先進課題への回答 テクテキスタイル&テックスプロセス2026⑤

2026年05月29日 (金曜日)

見逃せない個性派の実力

 「テクテキスタイル」では、個性派企業の出展も見逃せない。独自性の高い提案によって〝ニッチ・トップ〟ともいえるような実力を披露している。

 住友化学は、このほど開発した温度調節機能糸「コンフォーマ」を披露した。芯鞘構造のポリエステル繊維やナイロン繊維の芯部分に、特殊な調温機能樹脂を配置したものだ。

 従来、マイクロカプセルなどによって調温機能材を繊維に加工し、同機能材の相変化による熱移動で調温機能を発揮する素材は存在した。しかし、コンフォーマは樹脂そのものが調温機能を持っており、相変化による液状調温材の欠点だった成分漏えいの心配がない。染料・加工剤メーカーである同社が機能糸を開発・提案したことでも注目された。

 バイオ合成インディゴ染料「バイオブルー」も紹介した。植物から色素を抽出する天然インディゴ染料や化学合成によって製造する合成インディゴ染料と異なり、グルコースをバイオ合成することでインディゴ染料を製造することに成功した。天然由来原料を使いながら、天然インディゴ染料のように供給が不安定な植物原料に依存しないことが利点だ。

 ガラス繊維など無機繊維製の織物・不織布、加工品製造販売の日本グラスファイバー工業(愛知県江南市)は、自動車のマフラーの耐熱ジャケット向け耐炎繊維織物や、リサイクルガラス繊維ボード、ガラス繊維中わた、積層した炭素繊維をニードルパンチと樹脂含浸で成形する炭素繊維板、ガラスクロスにアルミを複合するアルミガラスクロスなどを提案した。連携する中国の重慶璨月新材料と並んでブースを構え、両社合弁で設立したタイ子会社の生産品も紹介した。

 欧州子会社のカイノール・ヨーロッパとして出展した群栄化学工業(群馬県高崎市)はフェノール樹脂繊維「カイノール」を打ち出す。このほど安全性の国際規格である「エコテックススタンダード100」クラス1認証を取得した。航空機座席の防火材やアーク放電対応耐火服、高電圧ケーブルカバーなど高い耐熱性・難燃性を生かした用途に提案する。

 カイノールカーボン繊維は非結晶(アモルファス)構造のため柔軟性や断熱性に優れる。シール材やロケットブースターノズルなどで実績豊富だ。また、カイノール活性炭繊維は超高比表面積活性炭として高性能フィルターに欠かせない。いずれも独自性の強い素材のため、テクテキスタイルでも注目度は高い。