東レ/世界初の製造技術確立/100%バイオ由来ナイロン66で

2026年05月29日 (金曜日)

 東レはこのほど、タイのPTTグローバルケミカルパブリックカンパニー(PTTGC)と取り組んできた100%バイオベース原料によるナイロン66樹脂・繊維の製造技術を世界で初めて確立した。2028年度には100%バイオベースナイロン66による繊維製品の販売開始を目指す。

 東レとPTTGCは、23年からデンプン残渣(ざんさ、イモ類や穀類からデンプンを抽出する過程で発生する繊維質など〝かす〟)を原料に、発酵技術で得られるムコン酸からナイロンの原料であるアジピン酸を作り、これを用いて100%バイオベースナイロン66を一貫生産する技術開発と実証試験を実施し、このほど一貫生産のための一連の製造技術の確立に世界で初めて成功した。

 今回の製造技術は、デンプン残渣からグルコース糖を製造する「糖化」、糖から独自の菌株を用いてムコン酸発酵液を生産する「発酵」、ムコン酸発酵液からアジピン酸に変換可能な高純度なムコン酸を作る「精製」、ムコン酸からナイロン66原料となる高純度なアジピン酸を製造する「化学変換」、バイオベースアジピン酸からナイロン66を重合し、繊維化する「重合・繊維化」の各工程からなる。

 使用するデンプン残渣は、食用デンプン向けに大量栽培されているキャッサバイモを使用するため、安定的な調達が見込める。未利用資源を活用することで新たな農地拡大も必要とせず、ILUC(間接的な土地利用変化)リスクの低減にもつながる。

 一連の製造技術を確立したことから、今後はムコン酸とアジピン酸の製造規模拡大とコストダウンに取り組み、28年度には100%バイオベースナイロン66繊維製品の販売を開始することを目標に、サプライチェーンの構築を進める。