ごえんぼう

2026年06月02日 (火曜日)

 日本のバンド、オフコースを代表する楽曲といえば、『言葉にできない』を挙げる人も多いだろう。〈♪ラララ/ラララ/言葉にできない〉という歌詞が心に響く▼元々は器楽のためのインスト曲として作られ、後で歌詞が付けられたというエピソードが一般的に知られる。作詞作曲を手掛けた小田和正さんは、あるインタビューで「歌詞がない方が強いと感じた」と創作秘話を明かす▼この楽曲がなぜ売れたのか。人工知能(AI)に問うと、「さびに歌詞がなく、ラララが最も強い感情を宿す構造がまれ」「言葉を排したことで、聞き手が自分の感情を投影しやすく普遍性を獲得した」などの答えが返ってきた▼言葉にできない悲しさや悔しさ、うれしさがあふれる時がある。ただ、湧き上がる感情を抑え、言葉にしないことも少なくない。そんな心の機微もAIは言語化するか。自分の心とAIによる答え。その二つを混同したくない。