混迷を乗り越える商社繊維事業~2025年度決算から②

2026年06月02日 (火曜日)

好調の領域にばらつき

デサントが業績けん引/伊藤忠商事

 伊藤忠商事繊維カンパニーの2026年3月期連結決算は、収益が6791億円(前期比7・6%増)、売上総利益が2042億円(20・9%増)、営業利益が285億円(13・9%増)、純利益が433億円(41・3%減)となった。収益は過去最高を更新。最終段階での大幅な減益は、前の期に計上したデサントの連結子会社化に伴う再評価益がなくなったため。

 アパレル関連では、デサントをはじめとした海外のスポーツ事業が堅調に推移した。

 主要関係会社の連結取り込みの純利益を見ると、デサントが132億円に達した。ドームは1億円の純利益を計上し、黒字化した。

 今期(27年3月決算)は、デサントが直営店拡大や中国事業の成長加速などで業績をけん引するとし、純利益520億円(20・0%増)を計画する。

「工」の強化と海外が鍵/蝶理

 蝶理の26年3月期繊維事業の連結は、売上高が1458億円(前期比4・6%減)、売上総利益が231億円(0・4%減)、営業利益が72億円(7・5%減)、経常利益が70億円(10・2%減)の減収減益だった。

 国内売上高が439億円で5・9%増えたものの、輸入売上高と輸出・海外売上高がそれぞれ、7・3%減の487億円、9・5%減の532億円と苦戦した。

 ワークウエア関連やセットアップスーツなどは堅調に推移したが、資材関連や中東向け生地販売が低調で、増収増益につなげられなかった。

 今期は新たな中期経営計画の下、設備投資や高付加価値系商材の開発、糸から生地、製品までの一貫生産など「工」の強化に取り組むとともに海外販売の拡大に臨み、売上高1550億円(6・3%増)、営業利益75億円(4・2%増)を計画する。

純利益過去最高を更新/GSIクレオス

 GSIクレオスの26年3月期連結決算は、売上高1886億円(前期比14・0%増)、営業利益36億500万円(22・2%増)、経常利益39億2400万円(54・0%増)、純利益25億4400万円(7・9%増)だった。純利益は過去最高を更新した。

 ファイバーは、売上高1183億円(19・2%増)、営業利益6億3700万円(1・1%増)。インナー用機能糸・生地の取引が拡大した。アウターは、売上高267億円(36・4%増)、営業利益16億2500万円(98・7%増)。前期に買収したトリアセテート繊維事業が寄与し、業績を大きく伸ばした。

 インナーは、売上高114億円(6・5%減)、営業利益2億4100万円(42・5%増)。原料価格高騰への対応が奏功し、増益を確保した。

 今期の業績予想は、売上高1860億円(1・4%減)、営業利益38億円(5・4%増)、経常利益38億円(3・2%減)、純利益26億円(2・2%増)。