繊維ニュース

商社広がる繊維循環の輪/衣料廃棄物に多様な出口

2026年06月03日 (水曜日)

 商社による、廃棄衣料を再資源化した上で循環させる取り組みが広がりを見せている。各商社が構築した循環の仕組みによって、廃棄衣料が再び繊維製品に生まれ変わるほか、固形燃料や建材のボードなど、さまざまな製品に姿を変えて消費者の生活に活用される。(強田裕史)

 豊島は2022年から、国内で廃棄された繊維製品を再循環させるプロジェクト「WAMEGURI」(ワメグリ)を推進する。同プロジェクトは、ポリエステル、コットン、ウール、羽毛などの繊維製品を回収し、提携工場での選別・紡績を経て再製品化するという循環スキームを構築した。

 このスキームを活用し、使用済みユニフォームを新たな繊維製品に再生させたのがジェイアール東海ホテルズ(名古屋市中村区)。同社は25年、使用済みユニフォームを糸に再資源化し、その糸を一部に使用したドライヤー収納用の巾着袋を、運営するホテル全6施設の客室に設置した。

 同社と豊島を結び付けたのが、愛知県が立ち上げた「あいちサーキュラーエコノミー推進プロジェクトチーム」で、県内の多様な業種の企業が参画する。業種・業界の垣根を越えた循環の取り組みが広がっている。

 丸紅コンシューマーリンク(東京都渋谷区)は、アパレルOEM/ODMを主力とする事業の特性上、不良品や在庫品の処理を長年の課題としてきた。この課題の解決策として、24年に着手したのが廃棄衣料の再資源化だ。

 契約する産業廃棄物処理業者の協力の下、従来は焼却や埋め立てで処理されていた廃棄衣料を、固形燃料(RPF)へと加工し有効活用するルートを構築した。

 試算では、同社の24年度のプラスチック廃棄量15・65トンをリサイクルすることで、ドラム缶77本分に相当する燃料油の節約効果が得られた。

 焼却処理より安価でありながら、環境負荷低減にもつながる取り組みとして、協同組合関西ファッション連合(KanFA)の「第6回SDGsアワード」の「アクション賞」を受賞した。

 モリリンは、廃棄衣料を原料とするリサイクルボード「パネコ」の普及に力を注ぐ。廃棄衣料などから、木材の代用品となるボードを製作する循環システムを築いたワークスタジオ(同新宿区)と協働で事業を進める。

 アパレル業界をはじめ多様な用途に向けて提案してきた。25年にはホクシン(大阪府岸和田市)を製造技術協力者に迎え、建材として打ち出す「新・パネコ」の提案を始めた。

 森俊輔社長は、パネコの事業に本格的に取り組むことを表明しており、「年間1万トンの廃棄衣料を循環させる」という目標の達成を目指す。