綿紡績大手・繊維事業 構造改革を次の成長力へ
2026年06月04日 (木曜日)
綿紡績大手の繊維事業における2026年度は、前年度まで進めてきた構造改革の成果を取り込み、収益力向上に結び付ける。中東情勢や日中関係など外部環境には不透明感も残るが、高付加価値品の販売拡大や海外展開を強め、成長基盤の強化を急ぐ。
クラボウは繊維事業の黒字転換を計画する。前期の営業赤字の要因となった安城工場(愛知県安城市)閉鎖に伴う異常操業費用がなくなることに加え、ブラジル子会社のニット糸販売の回復も見込む。安城工場閉鎖後の生産移管は「計画以上に進捗(しんちょく)」しており、タイやインドネシアへの移管を今期の早い段階で完了させる。グローバルな供給体制で収益の底上げを図る。
シキボウは、ユニチカグループから譲受した衣料繊維事業を取り込み、繊維事業の拡大を図る。28年3月期を最終年度とする3カ年の中期経営計画では譲受事業を織り込み、最終年度の繊維部門売上高を256億円から376億円、営業利益を9億5千万円から13億円へ上方修正した。譲受事業にはユニフォームや寝装品などを含み、「既存事業との相乗効果」を発揮し、国内外で販売拡大を狙う。
富士紡ホールディングス(HD)の生活衣料事業は、インナーの「BVD」など繊維製品で電子商取引(EC)売上高の拡大や若年層への認知度向上などに取り組む。
日東紡の資材・ケミカル事業は、既存商品の拡販と新商品の投入で販売増を目指す。ドット状コーティングによる機能加工技術の提案の幅を、衣料向けに限らず資材分野などにも広げる。
今期(27年3月期)を初年度とする5カ年の新中計を始動した大和紡績は、自社原料にこだわり、事業部やグループ会社を横断して提案する「ファイバー戦略の深耕」で付加価値を高める。海外展開を強化し、衣料品輸出に加えてポリプロピレンや高機能レーヨンの原料、不織布の輸出比率を引き上げる。
日清紡HDは、マーケティング推進室を軸に事業部横断の提案を強化し、展示会などを通じて「受注型から提案型への転換」を図る。海外生産拠点の再構築も進め、インドネシアの紡織拠点ニカワテキスタイルでは、渦流紡績糸など独自品比率を高めて収益性の向上につなげる。





