東洋紡せんい 素材起点に利益拡大

2026年06月04日 (木曜日)

 東洋紡せんいのマテリアル事業部は、2026年度(27年3月期)の重点戦略として、素材を軸とした原糸・生地の提案で利益拡大を進める。そのため素材開発に力を入れる。同事業部は、原糸、インナー用生地、寝装生地・製品、インナー用原料、メディカル資材を取り扱う。4月に就任した藤井利秀マテリアル事業部長は「いずれの用途も素材の強みを生かしたビジネスを重視する」と強調した。

 原糸は産地への販促を強める。和歌山のニット産地などに担当者が定期的に足を運ぶ体制を整備し、産地で開催される糸展示会などを通じて接点を持った需要家にもアプローチすることで新規開拓を進める考えだ。

 新方式リサイクル綿糸「さいくるこっと」や、ケミカルリサイクルナイロン長繊維「ループロン―C」、マテリアルリサイクルナイロン長繊維「ループロン―M」は、欧米への生地輸出に取り組む産地企業が採用に動くといった成果も出てきた。さいくるこっとは、国内の大手アパレルへも採用に向けた提案が進む。

 インナー用生地は、大手インナーメーカーとの取り組みを一段と充実させる。特に綿素材の提案に力を入れ、特殊原綿や特殊紡績、生地設計の工夫による差別化生地を拡販する。一方、インナー用原料は、取引先の中国や東南アジアなどの生産拠点へ直接供給するといった海外オペレーションの拡大で既存顧客との関係を一段と強化する。

 寝装生地・製品は、原料販売を通じた新規開拓を強化。羽毛の価格高騰と供給減少により、代替となる中わた素材への注目が高まっていることから、高吸湿性ポリエステル短繊維「グレファージュ」など高付加価値な機能素材を打ち出す。

 メディカル資材では医療用テープなどが主力。安定した需要があることから、品質管理と安定供給を重視する。中東情勢悪化の影響で溶剤やフィルムなど副材料の調達不安が高まっていることから、BCP(事業継続計画)対応にも改めて取り組む。

 藤井部長は「資産効率の面でも糸・生地など川上分野に商機がある。利益拡大を重視することで資産効率も一段と高めたい」と話す。