混迷を乗り越える商社繊維事業~2025年度決算から④

2026年06月04日 (木曜日)

アウトドア向けが好調

全体の販売数量は堅調/帝人フロンティア

 帝人フロンティアの2026年3月期連結業績(帝人の繊維・製品事業の数字)は、売上収益3500億円(前期比0・5%減)、事業利益170億円(4・5%減)で減収減益だった。産業資材の一部用途で弱含みもあったが、全体の販売量は堅調に推移した。

 衣料繊維分野は、北米向け生地や国内向け衣料品の販売が好調に推移するとともに、中国における素材・製品の販売も業績に大きく貢献した。産業資材分野は、各種フィルター向けのポリエステル短繊維やテレビ通販での生活雑貨の販売が好調を維持した。

 今期は旭化成アドバンスとの経営統合の完遂とシナジー創出に力を入れる。衣料繊維分野では、“顧客起点マーケットイン”を徹底。産業資材分野は、各種フィルター向けポリエステル短繊維の供給能力強化、TV通販向け商品開発を強化する。

繊維は注力分野で拡販/旭化成アドバンス

 旭化成アドバンスの26年3月期決算(単体)は、売上高709億円(前期比1・5%増)、営業利益21億4千万円(1・3%減)で増収減益となった。建材事業で増収増益を確保したが、繊維事業と樹脂化学品事業が増収減益だった。

 繊維事業は、アウトドア衣料が堅調に推移したが、衣料用原糸・北米向け不織布トレーディングが苦戦。繊維関連のトピックスでは、タイでの車両資材、アウトドア生地などの注力分野で拡販が実現した。「ベンベルグ」裏地など、旭化成各事業との連携事業も堅調に推移している。

 今期は、10月1日に帝人フロンティアとの経営統合を予定している。新会社TAフロンティアでも自社事業群が輝けるよう、独自ビジネスと旭化成との連携ビジネスに経営資源を集中する。

アパレルに勢い/東レインターナショナル

 東レインターナショナルの26年3月期決算(単体)は、売上高6411億円(前期比2・4%増)、営業利益120億円(7・7%減)、経常利益211億円(8・1%減)、純利益168億円(7・2%減)で増収ながら各段階で減益となった。

 事業分野別の売上高では、アパレル事業が16・3%増の1950億円と勢いを見せた。大手アパレル向けが堅調に推移したことが奏功した。

 衣料素材は、746億円で0・7%の増収だった。衣料用ファイバーが苦戦したが、スポーツアウトドア用生地が拡大した。自動車用途が低調な繊維資材は383億円で4・2%減となった。

 今期の業績は売上高6872億円(9・8%増)、営業利益123億円(5・1%減)、経常利益212億円(7・6%減)、純利益168億円(7・4%減)を予想している。