先進課題への回答 テクテキスタイル&テックスプロセス2026⑨
2026年06月04日 (木曜日)
逆風跳ね返す革新技術
「テクテキスタイル2026」「テックスプロセス2026」は、中東情勢悪化とそれによる原油価格の高騰など世界経済の先行きが極めて不透明となる中での開催だった。地政学的リスクに加えて、環境規制の強化や熟練作業者の不足など繊維業界を取り巻く環境は一段と厳しくなっている。プレッシャーにさらされる繊維業界において、これを跳ね返す革新技術やソリューションが提案された。
今回の両見本市には1700社が出展し、来場者は3万6千人を超えた。国別で見ると来場者数上位10カ国はドイツ、イタリア、フランス、トルコ、オランダ、スペイン、ベルギー、英国、ポーランド、スイスとなる。そのほか、インド、日本、ポルトガル、スウェーデン、米国からの来場者も増加した。
出展者、来場者ともに満足度は高く、見本市を運営したメッセ・フランクフルトによると来場者の満足度は95%、出展者の満足度は86%といずれも高水準となっている。イノベーションを市場に投入し、関連パートナーと連携して実践する国際的プラットフォームであることを改めて証明したと言えよう。
メッセ・フランクフルトの取締役会メンバーであるデトレフ・ブラウン氏は「市場の変動が激しいことが、ビジネスモデルに永続的な変化をもたらしている。この環境において持続性、柔軟性、スピードは成長のキーとなる」と指摘。テクテキスタイルとテックスプロセスは、「関連パートナーが一堂に会し、アイデアを速やかに実用化する。新素材とサプライチェーンにおけるイノベーションは決定的な優位性となる」と強調する。
有力企業だけでなく、スタートアップや研究機関も参加することで新たな出会いの場となっていることも見逃せない。メッセ・フランクフルトの繊維・繊維技術担当バイスプレジデントであるオラフ・シュミット氏は「新たなビジネスパートナーとの予期せぬ出会いが新たな市場へのアクセスを開拓し、イノベーションを推進する」と強調した。
今回も石化燃料への依存を低減する自然由来の高性能ソリューション、工業用に規模拡大も可能なバイオベース原料やリサイクル原料、生産プロセス全体をつなぐコネクテッド・ソリューションなど多様な先端素材・革新技術が提案された。
社会からの課題が一段と高度化する中、テクテキスタイル&テックスプロセスは、回答を披露する舞台として存在感を発揮し続けている。次回は2028年4月4~7日の開催となる。
(おわり)





