ごえんぼう

2026年06月08日 (月曜日)

 小欄で以前、3月下旬に心筋梗塞で倒れた同僚のことを書いた。酒をおいしそうに飲み、長くタバコも手放せなかった人である。1カ月弱で職場に戻ったものの、禁煙は平たんでなかったようで、体調を崩し、再び病院へ運ばれた▼非喫煙者の筆者は、ニコチン依存の深さを実感として語れない。それでも、禁煙が容易でないことは想像できる。酒もニコチンも脳の報酬系に作用するとされる。意志だけで片付く話ではないのだろう▼倒れた際、本人は死を覚悟したという。「このまま死ぬのも悪くない」。冗談めかした言葉でも、家族が聞けば胸のつぶれる思いだろう。命は自分だけで完結しないからだ▼彼は今、不整脈リスクに備え、旭化成の関連会社が展開する着用型除細動器「ライフベスト」を常時身に着けている。「俺の命はこの機械に守られている」と笑う。ただ、機械に頼る前に、遠ざけられる危険もある。命綱より、まず禁煙を。