別冊ユニフォーム(4)/ニーズ捉えた商品、サービス提案を
2026年06月16日 (火曜日)
〈環境配慮の視点も重要〉
ユニフォームの分野でも環境への配慮という視点は欠かせなくなってきた。26秋冬でも一歩踏み込んだ提案が見られた。
ジーベック(広島県福山市)の後藤允臣社長は「環境配慮の要素は必須になってくる」と指摘する。同社は業界に先駆け、二酸化炭素(CO2)を原料にしたポリエステル繊維を使ったワークウエアを25秋冬から展開している。26秋冬でも2ウエーストレッチ作業服や、高い保温力を持つグラフェンアルミプリントを採用した軽防寒ウエアなどを拡充する。
アイトス(大阪市中央区)も環境対応に力を入れる1社だ。「タルテックス」から、東レの植物由来ポリエステル「エコディア」とストレッチ素材「ライトフィックス」を組み合わせた素材使いのウエアを打ち出す。ライトフィックスを従来の緯糸だけでなく経糸にも採用し、伸縮性を向上させた。
先月、札幌市内で開かれた秋冬展示会「わくワーク北海道フェスタ2026」では、グリーン購入法の判断基準の見直しといった環境配慮にまつわるトピックをパネルで掲示し、来場者に伝えた。
〈システムで販売を支援〉
ワークウエアメーカーの中ではウエアの販売だけでなく、販売店向けのシステム提案も活発になってきた。わくワーク北海道フェスタ2026では一部の出展企業がオーダーシステムや人工知能(AI)を活用した提案書作成サービスを発信した。
サンエス(福山市)はユニフォームをカスタムできるセミオーダーシステムを披露した。任意のユニフォームのモデルを選択し、パターンごとに色を選択したり、左胸や背中に名入れをしたりしながら、商品の構築ができる。システムの提供によって販売店の提案書作りの手間を省く。機能をさらに磨きながら10月の完成を目標に開発を進めている。
アイトスはAI技術を活用し、絵やデザイン画から、さまざまなシチュエーションの現場で従業員が着用しているイメージ画像を作成できるシステムを提案。実在の人物の写真を使ったリアルな提案も可能で、販売店の提案資料やプレゼンに役立ててもらう考えだ。
〈中東情勢で不透明感〉
2月28日の米国とイスラエルによるイラン攻撃に端を発したホルムズ海峡の事実上封鎖の影響で、原油などの供給混乱や価格高騰が続いている。ユニフォーム業界では、まだ深刻な打撃を受けている状況ではないものの、一部部材の価格が高騰するなど影響が出始めている。
石油由来の袋などは価格の高騰とともに、大口発注できないケースも出ているようだ。石油由来の製品は裾野が広い。商品だけでなくカタログの制作においても、石油由来のインクが不足していることから、印字ができないといった指摘も聞かれた。
電動ファン(EF)付きウエアのファンなどは石油由来のプラスチック製のため、「来年どうなるか」(ユニフォームメーカー)と不安視する声もあった。
26秋冬に関しては、既に仕込みがスタートしていることもあり、影響は来年から本格化しそうだ。TSデザインの藤原洋明社長は「ワークウエア業界はリードタイムが長いため、影響はまだ先」としつつも「一番大きく影響が出るのは生地。これから価格が上がってくるだろう」と話す。クロダルマの平慶一郎社長は「値上げよりも、モノが入ってこないことの方が怖い」と打ち明ける。
さまざまなコストの上昇もそうだが、ユニフォームを着用する建設など一部の現場では、中東情勢の悪化による資材の調達難で工事の中止や延期も出ている。CUC(岡山県倉敷市)の小橋徳久社長は「職人の稼働率が上がらなければ、(販売の)足を引っ張る可能性がある」と危惧する。





