繊維ニュース

大手学生服メーカー/制服を超えて学校を支える/課題解決に向け伴走

2026年06月17日 (水曜日)

 大手学生服メーカーは、学校教育の急速な変化を受けて、学生服の供給だけにとどまらない多面的な支援を進めている。長時間労働が常態化する教職員の、部活動や探究学習の題材選定にかかる負担を軽減する取り組みを通じて、子供たちと学生生活を支える全ての人々に寄り添い、学校教育の課題を総合的に解決する企業へと変貌を遂げつつある。(光元 徹)

 文部科学省は2021年、急速に変化する社会で全ての子供が自ら学び続ける力を育むことを目指して、「令和の日本型学校教育」として新たな学校教育の方向性を打ち出した。

 中央教育審議会でも22年に、新たな方向性を担う「教師の養成や採用、研修等の在り方について~『新たな教師の学びの姿』の実現と、多様な専門性を有する質の高い教職員集団の形成~(答申)」を取りまとめた。

 教職員は、変化する学校教育の中で新たな役割を求められ、業務負担が増える場合も少なくない。多忙による長時間労働は依然として深刻で、学校現場が抱える課題として常態化しているのが実情だ。

 学生服メーカーはこれを受けて、学生服の供給だけにとどまらない多面的な学校教育の支援を進め、教職員の負担軽減を目指す。

 菅公学生服は昨年、日本中学校体育連盟と全国中学校体育大会に関する包括連携協定を結んだ。大会運営を担う教職員の負担軽減が狙いの一つで、長年にわたり教育現場に関わってきた知見を生かして、持続可能な大会運営の実現につなげる。

 令和の日本型学校教育が示すこれからの教師像で、対話の促進を通じた学びの伴走者への役割変化が示されている。同社はこれを受けて、「対話による教育実践センター」を設立。尾﨑茂社長が理事長に就いた。学校のみならず地域や企業と協働しながら、さまざまな現場で「対話の文化」の浸透を支援する。

 新しい学習指導要領として20年から小学校、21年に中学校、22年に高校で始まった「探究学習」の題材として、環境や多様性に配慮した学生服を通じた学びの機会を提供することで、題材選定に悩む教職員の支援にも取り組む。

 明石スクールユニフォームカンパニーは、アート事業などを手掛けるCLASS EARTH(クラスアース、東京都中央区)と協業で、生物多様性保全を主題とした学生服を販売している。持続可能性に関わる講義のほか、生徒自身が能動的にデザインや素材の策定に関わるプログラムを提供する。

 導入校には、4月に開講した、英会話と環境教育を掛け合わせたオンライン英会話コミュニティー「アース・セーバー・ファミリー・イングリッシュ」を受講できる特典を付与する。

 トンボは、花王とパートナーシップを結び、学校で開く勉強会などを通じて、学生に衣類の大切さや環境問題について学んでもらう機会を提供する。

 このほど、衣替えの時期に合わせ、岡山県と鳥取県、島根県にある15校の約3500人を対象に、制服の洗濯に適したおしゃれ着用洗剤「エマール」の試供品を進呈した。