オーミケンシの中国法人/極細レーヨンの販売好調/顧客数拡大に注力

2026年06月17日 (水曜日)

 【上海支局】オーミケンシの中国法人、近絹〈上海〉商貿の2025年業績は前年に比べ大幅増収・増益だった。細・極細レーヨンの販売が伸びた一方、機能性レーヨンは芳しくなく、利益率は横ばいだった。26年1~4月業績は前年同期比で微減となった。下半期に向け顧客数の拡大を重点課題に据え、挽回を目指す。

 25年に販売をけん引したのは、フェースマスク向けスパンレース不織布用途の細・極細レーヨンだ。主力の0・9デシテックス品に加え、0・6デシテックスの極細品も販売を伸ばした。細・極細レーヨンを使ったフェースマスクは「密着性やフィット感、透け感が評価され、市場への浸透が進んでいる」(岩切直彦総経理)。

 同社が取り扱う細・極細レーヨンはダイワボウレーヨンの日本製素材だ。中国メーカー品もあるが、品質面で優位性があり、需要は堅調に推移している。

 さらに追い風となっているのが、ドイツのケルハイム・ファイバーズの事業終了だ。中国のフェースマスク市場では従来、ケルハイムとダイワボウレーヨンの極細レーヨンが主要供給源だった。ケルハイムの撤退に伴い、ダイワボウレーヨン品への引き合いが増えている。

 一方、細・極細レーヨンは定番素材になりつつあり、高い付加価値を訴求しにくくなっている。加えて植物オイルなどを練り込んだ機能性レーヨンの紡績・アパレル向け販売も伸び悩み、利益率は前年並みにとどまった。

 足元では原料高を背景にダイワボウレーヨンが価格改定を実施した。近絹〈上海〉商貿も顧客への新価格提示を進めるとともに、「既存の顧客向けに安定供給の確保を日本側に要請している」(岩切総経理)。

 26年1~4月は1~3月の販売低調が響き、前年同期比で微減収となった。ただ、24年同期比では高い水準を維持した。

 アパレル用途は市況の低迷が響き、引き続き厳しい。細・極細レーヨンや機能性レーヨンを提案しても、試作段階で終わる案件が増えている。

 そうした中でも、つばきオイルやアボカドオイルを練り込んだレーヨンへの関心は根強い。ただし、大手インナーブランド向けなど用途が限定され、数量も大きくない。

 下半期に向けて顧客数の拡大に力を入れる。既存の日本素材は、顧客1社当たりの使用量が小さいことから、新規顧客の開拓を加速する。また、日本と中国の両素材を組み合わせた複合糸の提案を強化し、ボリュームゾーンの市場開拓を進める。