豊島/多分野に広がる循環の輪/共感から生まれる取り組み拡大
2026年06月18日 (木曜日)
豊島は持続可能な社会の実現に向け、さまざまな回収・循環型の素材やプロジェクトを展開している。これらの取り組みを「OurCycle」(アワサイクル)と総称し、資源を無駄にしない循環の仕組みづくりを通じて、「豊かな暮らし」の実現に貢献することを目指す。
〈ワメグリ/繊維製品が再循環する仕組み〉
「WAMEGURI」(ワメグリ)は、国内で廃棄された繊維製品を再循環させるプロジェクトで、2022年から展開している。同プロジェクトは、国内で廃棄される衣類など繊維製品を回収し、工場での選別・紡績を経て再製品化するという循環スキームを構築した。
このスキームを活用し、使用済みユニフォームを新たな繊維製品に再生させたのがジェイアール東海ホテルズ(名古屋市中村区)。同社は25年、使用済みユニフォームを糸に再資源化し、その糸を一部に使用したドライヤー収納用の巾着袋を、運営するホテル全6施設の客室に設置した。
同社と豊島を結び付けたのが、愛知県が立ち上げた「あいちサーキュラーエコノミー推進プロジェクトチーム」で、県内の多様な業種の企業が参画している。
異業種との連携は多方面に広がっており、2次流通企業による環境に配慮した消費を促すイベントなどでも、ワメグリのスキームが活用され、取り組みがスタートしている。
〈アップドリフト/海洋ごみを新しい製品に〉
「UpDRIFT」(アップドリフト)は、国内の海岸で回収されたペットボトルなどをリサイクルし、新たな製品として生まれ変わらせるプロジェクト。豊島がペットボトルの回収から担い、地域活動団体や地方自治体、企業と連携し、海岸でのクリーンアップ活動「グリーン・アンド・ブルー・チャレンジ」を実施している。
マッシュスタイルラボ(東京都千代田区)は22年から、沖縄県石垣島でのビーチクリーン活動に参加している。そこで回収したペットボトルの一部を、アップドリフトのスキームを活用してリサイクルし、その生地を使って再生品を作り出す。
同社のレディースブランド「emmi」(エミ)は23年、フォトグラファー・後藤啓太氏との協業で製作したTシャツ2型に、アップドリフトの生地を採用。海辺での休息を連想させる画像をデザインにあしらい、海を慈しむ思いを発信した。
エミは25年にも、ecostore JAPAN(同)が展開するニュージーランド発ナチュラルデーリーケアブランド「エコストア」との協業によるコレクションも発表。Tシャツやワンピースの素材に、石垣島で回収したペットボトル由来の再生繊維を使用した。
アップドリフトの取り組みは、他社との素材の共同開発にまで発展した。
ゴールドウインが展開するブランド「ザ・ノース・フェイス」(TNF)と共同開発した繊維「ドリフトダイ」は、環境配慮と機能性の両立を追求した。コットンをベースにしながら、アップドリフトの再生ポリエステルを組み合わせることで耐久性の課題を解決した。
ドリフトダイを使ってTシャツ、ロングスリーブ、スエットを製作。TNFが掲げる「ロングライフなものづくり」が実現した。
〈フードテキスタイル/廃棄食材の染料が思いつなぐ〉
TNFとのドリフトダイの共同開発においては、廃棄食材を染料に再活用する「FOOD TEXTILE」(フードテキスタイル)のカラーも取り入れ、赤かぶ、しょうが、センブリの3色を採用した。
フードテキスタイルは、色の原料を供給する食品関連企業、その生地を使って商品を展開する企業と協業して進めるプロジェクトブランド。15年の開始以来、環境への意識が高いアパレルブランドへの採用実績を着実に伸ばしてきた。
5月からKIJIMA TAKAYUKI、ロンハーマン、豊島の3社の思いが結集した取り組みが始まった。ハット(エキナセア)やキャップ(エキナセア、マローブルー、ドリップコーヒー)を展開している。
3社の思いとは、サステイナビリティーを前面に出すより、手に取りたくなるような魅力あるプロダクトを生むことを第一義とする。そこからサステな選択につなげることが、アパレル業界の未来像をつくるという。
「ロングライフデザイン」をテーマに地域のモノ作りを発掘するコミュニティーショップ「D&DEPARTMENT」は、フードテキスタイルの開発生地を活用した新製品を生み出す予定だ。今夏からバッグを販売し、その後はほかの商品にも展開していく。
D&DEPARTMENTは、残反やサンプル生地、木材など倉庫に眠りがちな〝デッドストック〟を〝ライフストック=生きた在庫〟と捉え直した上で、産地の個性や技術を伝えている。フードテキスタイルの姿勢に賛同して協業が実現した。





