第48回AFF・東京2026夏 レビュー《2》

2026年06月19日 (金曜日)

ASEAN生産強化

 今回のAFF・東京では、東南アジア工場エリアも目を引いた。出展企業は「人民元高と円安によって中国国内でのモノ作りが難しくなっている」とし、ASEAN地域などに設けた生産拠点を紹介した。各国・地域の拠点の増強を計画する企業も多かった。

 メリーテックスグループは、宿泊や飲食、医療、介護分野向けの各種繊維・繊維製品を製造する企業。中国に3工場を持つほか、カンボジアにも二つの工場を持つ。カンボジアの第1工場は白衣やユニフォームを生産する工場として2019年に立ち上がり、第2工場は欧米向け製品生産を主体とする工場として昨年に開設した。

 日本向けは中国国内での生産をメインとしてきたが、一部をカンボジア第1工場に移しつつあるとしている。カンボジアは、バングラデシュやミャンマーと比べて政情が安定し、ベトナムよりも人件費が安い。ただ、ある程度のロットが必要とし、「5千~1万枚でメリットが大きくなる」とした。

 迪尚集団もカンボジアの拠点を紹介した。同国では、14年から華寛服飾で生産を行ってきたが、新たに智富服飾の第1期工場が25年8月に稼働を開始した。パンツの製造を主力とし、月産能力は約30万枚とする。同じく月産30万枚の第2期工場と包装工場の建設に入り、今年9月に完成する。

 山東八達服飾は、ラオスに設立(日本企業と合弁)したBADA WIZZ〈LAOS〉GARMENTを紹介した。丸編み製品生産を主力とし、ミシンのほか、自動裁断機やインクジェットプリンター、刺しゅう機などを設置する。従業員数1800人で、今月末から7月初めに操業を開始する。

 ラオスは、政治問題が少なく、安定しているのが大きいとするほか、鉄道によって中国製生地を輸送することもできる。中国語を話せる人が多く、「意思疎通しやすいのもメリット」とした。約80%を日本向けにしたいと話し、将来はラオスでの第2工場の開設も検討する。

 嘉興スカイファッションは、ダウンジャケットなどの中わた製品やパンツなどを手掛ける。中国国内に縫製と生地製造工場を持つほか、海外ではミャンマーとカンボジアに進出している。このうちカンボジアは特定ブランドの専用工場で、日本向けの生産は中国とミャンマーが担う。

 ミャンマー工場は、中国製の生地や副資材を活用し、織物製の婦人アイテム全般を生産している。年間500万~600万枚の生産規模を誇り、30~40%が日本市場向けという。「クオリティーが高く、動きも順調」とし、日本のオーダーを積極的に取りにいく。