東レ・長繊維事業 高付加価値糸で海外攻勢
2026年06月24日 (水曜日)
東レの長繊維事業部は2026年度(27年3月期)の重点施策として、海外販売の拡大を掲げる。高付加価値糸をラインアップする「トーレ・プレミアム・ゴーセン・セレクト」(TPGS)を中心に、同社のテキスタイル事業部門とも連携しながら、総合力で海外販路を開拓する。また、ナイロン長繊維の構造改革を進め、こちらも海外アパレルへの提案に力を入れる。
TPGSを中心とした高付加価値糸販売は、既にトン単位で中国などへの輸出が動きだすなど軌道に乗りつつある。原糸輸出だけではなく「テキスタイル事業部門に原糸を供給し、テキスタイルでの海外販売につなげる形も増えている」(村田圭資長繊維事業部長)と東レグループ全体との連携を生かした戦略を強調した。
8月には上海の国際糸見本市「ヤーンエキスポ」にも出展予定で、差別化糸の販売先のさらなる拡大を目指す。拡販に向け欧米や中国のアパレルを中心に提案する。前回展での出展でも「欧米の大手アパレルや中国のアパレルから好反応があり、販売にも結び付いた」と手応えを示す。
一方、構造改革を進めてきたナイロン長繊維は、汎用(はんよう)糸の生産が中心だった石川工場(石川県能美市)の設備改良が完了し、差別化糸の増産体制が整った。これにより石川工場のほか、愛知工場(名古屋市西区)、中国子会社の東麗合成繊維〈南通〉(TFNL)、インドネシア子会社のインドネシア・トーレ・シンセティクス(ITS)の3カ国4拠点で差別化糸が生産できる体制となった。関税やリードタイムといった販売先が求める条件に応じて、各拠点から最適な形で供給できる体制が整った。
26年度の第1四半期(4~6月)の商況は、ここまでほぼ計画通りに推移しているもよう。中東情勢悪化による原油・ナフサ価格高騰を受け大幅な値上げを実施したが、需要家からの理解はほぼ得ているようだ。ただ、第2四半期(7~9月)は梱包(こんぽう)資材や物流費などのコストアップが深刻化していることへの対応が課題となる。第1四半期が比較的堅調だった反動による需要減退も懸念され、「楽観はできない」とする。





