特集 サステイナビリティー(8)/社会課題解決に貢献へ/先進的製品・技術・サービス/shoichi/MNインターファッション/FYS
2026年06月25日 (木曜日)
〈shoichi/在庫処分を資源循環へ/分別精度高め廃棄抑制〉
アパレル在庫処分サービスを展開するshoichi(大阪市中央区)は、衣料・雑貨などの余剰在庫を再販売・リサイクルする取り組みを加速させる。自社倉庫で商品を1点ずつ選別し、タグ・ロゴを外した上で、ブランドごとの処分条件に適合する販路・再資源化法を細かく振り分ける。廃棄・焼却率はゼロに近く、マテリアルリサイクル率は9割を超えるという。
同社は企業の余剰在庫を買い取り、再販売できる商品は国内外の販路に回す。ブランド価値を損なわないよう、タグカットやロゴ除去、オンライン販売の可否、海外流通の指定など、取引先ごとの条件に対応する。再販売不可の商品はフェルト化や再生ウール、再生糸、ボード化して再生。ファスナーなど金属部材も分別し、可能な限りリサイクルにつなげる。
精密な仕分けは、人手による分別工程で担う。アパレル製品は表地、裏地、芯地、ゴム、金属、副資材など複数素材で構成され、機械の一律処理がきわめて難しい。同社は就労支援事業者と連携して、商品ごとに素材や状態を見極めながら、解体、仕分け、用途別の振り分けを行う。手間がかかる工程を積み重ねて廃棄を抑え、資源化の出口を広げている。
最近では衣料に限らず、靴、バッグ、雑貨の相談も増える。欧州展示会でも靴や服飾雑貨のリサイクルへの関心は高く、海外ブランドの日本法人からの引き合いも広がる。今後、自社内に在庫処分部門を持ちたいアパレル企業に同社の選別や再資源化の手法を移転するBPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)事業化も視野に入れる。
〈MNインターファッション/高密度綿織物を打ち出し/素材別のアップサイクルも〉
MNインターファッションは、サステイナビリティーの取り組みを重要な経営課題に位置付け、事業活動を通じて持続可能性に関する課題解決に挑む。この方針に基づき、独自性が高い商材を豊富にそろえる素材提案でも、サステイナビリティー対応を〝標準装備〟する姿勢を打ち出す。
同社は2025年、Stotz&Co.AG(スイス)、大和紡績との合意のもと、高密度綿織物ブランド「ベンタイル」の海外と国内の商標権を取得した。以降、受け継いだ供給網を生かし、多様な分野での需要開拓を進めている。
ベンタイルは1943年、英・マンチェスターで誕生し、長期間にわたり英国空軍のユニフォームに採用されてきた。
MNインターファッションは約20年間にわたり、ベンタイルと同じ英・マンチェスター発祥の合繊の高密度織物「パーテックス」の販売を伸ばし、主力商材に成長させた。
ベンタイルについても、素材の天然回帰の需要に応えながら、パーテックスで培った高密度織物の開発力や海外販売ネットワークを活用し、国内外でブランド展開を推進する。
「ブリコ」は、廃棄されていた繊維製品を、素材の種類や特徴に応じた手法で再生させるアップサイクル素材ブランド。ポストコンシューマー、プレコンシューマーを問わずに実践できる点を訴求する。
コットンは、規格外の糸と生機をはじめ、再利用が不可能な古着や裁断くずもアップサイクルの対象とする。
ウールも、古着や紡績工場で発生する繊維くずを再利用する。
ポリエステルについては、裁断くずなどを使った繊維から繊維の循環型ポリエステルとして提案する「テックス2テックス」を、ブリコのブランドで展開する。この手法は二酸化炭素(CO2)排出量に関して、第三者機関の認証を取得している。ベンチマーク試算では、新品のポリエステルと比較し、最大84%のCO2排出量削減が報告された。
〈FYS/使用済みハンガー再活用/独自の循環システム生かす〉
ハンガーなど服飾資材製造卸のFYS(岐阜県笠松町)は、店頭で流通するハンガーのリユース事業「アプレス」を立ち上げて10年が経過した。現在、年間で約200万本のハンガーをリユースしている。使用済みハンガーを循環させる独自の経路と仕組みを構築し、100%に近い再利用率を実現する。
アプレスは2015年に、環境大臣が認定する産廃処理の広域認定をFYSが取得したところから始まった。それまでは主にアパレル企業から小売店に流通するハンガーの大半が、産業廃棄物として焼却処分されていた。環境配慮への取り組みを推進する大手GMSが、リユース事業を立ち上げたFYSと協業を開始。子供服や婦人服で商品とともに店舗に納品し、そのまま陳列に使われるハンガーに採用された。
店頭で販売されたか、店頭用のハンガーに掛け替えられて使用済みとなったハンガーは本社兼リサイクルセンターに集められる。その後、約70%がリユースに、約30%がリサイクルとなる。リサイクルのうち60%が再生ペレット、40%は木くずと混合して固形燃料などに使われる。
リユースハンガーの主な素材はポリプロピレンとポリオキシメチレン、アルミなど。一本に異なる素材が使われることもあり、焼却処分も簡単ではないため、アプレスが重宝される。現在の主要取引先はSPA、GMS、専門店など。協業する企業の価値向上にも寄与すべく、リユース本数の増加やサービスの拡張を行う。
今期(27年5月期)は220万本のリユースを目指す。リサイクルの一環として、アパレルブランドのノベルティー製作や異業種との協業なども構想する。





