特集 サステイナビリティー(11)/社会課題解決に貢献へ/先進的製品・技術・サービス/蝶理/サンウェル/ヤギ
2026年06月25日 (木曜日)
〈蝶理/機能性素材の提案に幅/天然回帰の要素取り入れも〉
蝶理は、気候変動に対応する機能性素材の提案に、〝天然回帰〟の要素を加え、快適性の向上や環境配慮といった多様なニーズを着実に捉える。
同社は、スラブ状の糸の縦横の配列に工夫を施し、通気性を高めた商品群を「SUU SUU」(スースー)というブランド名で展開している。その中の「スースーリュクス」は、トリアセテートを取り入れ、ドライな肌触りと美しいドレープを併せ持つ素材に仕上げた。
「リノン」は、リネンライクなラミー短紡素材で、リネンのような表情に、ラミーならではの軽さと清涼感を重ねた。
遮熱素材「シェードシー」は、日差し対策に向けて打ち出す。フルダル糸を使った織物生地で、遮熱率35%、紫外線遮蔽率90%の機能を発揮する。上品な外観とストレスフリーな着心地をもたらすため、暑さが厳しくても、ファッションを楽しむアイテムに向け提案する。
「シアーシールド」は、フルダルポリエステルによるUV(紫外線)透過の低減に加え、ゲージ・目付・カバー係数を最適化する。その機能で可視光の抜け感を保ちながら、UVを効果的にブロックする。さらに、色や染料の選定によってUVA(A波)/UVB(B波)の透過も抑え、抜け感やドレープ性を損なうことなく、淡色でも遮蔽性を発揮する。
「ヒヤリッチ・ナイロン」は、石の優れた熱伝導性を活用した冷感糸。中国の鉱石、岫岩玉(しゅうがんぎょく)を超微細なパウダーに粉砕し、ナイロン繊維に練り込んだ。表面加工ではなく、繊維内部から冷たさを生み出す構造により、肌に触れた瞬間からひんやりした感触を持続させる。
〈サンウェル/商材・取り組みの両面で/サステ生地比率3割に〉
生地商社のサンウェル(大阪市中央区)は昨年6月に国際認証の「GRS」(グローバル・リサイクルド・スタンダード)を取得するなど、サステイナブルな取り組みや商材開発に力を入れている。
商材面では、オーガニック綿使いの「コードットオーガニックス」、再生ポリエステル糸を使ったウール調生地「ラナテックエコ」、麻調の「リフラクスエコ」、ストレッチ生地「レナペス」、再生ナイロン糸を使った「リコンフィー」などを展開する。これらサステ系生地の比率は生地品番全体の約3割になっており、「サステ系生地はまだあまり売れない」との声が大半を占める国内生地業界をリードする存在感を放つ。今後も比率向上を狙う。
サステな取り組みも積極的に展開する。子会社の子供服アパレル「フィス」では2012年以来、「ウニタ」という派生ブランドを立ち上げ、その売り上げの一部を日本コケイン症候群ネットワークに寄付し、コケイン症候群の治癒を高める研究費として使ってもらっている。
障害者自立推進機構が実施する「パラリンアート」の図案を購入し、それをプリント生地に仕上げ、その売り上げの一部を同機構に寄付する取り組みも継続しているほか、同社が顧客に提供したスワッチサンプルを回収して紙に再生し、再びスワッチサンプルの台紙や名刺として使う取り組みも続けている。
「サステに取り組むのは人として、企業として当たり前のこと」と考える同社は、「もっとこうした社会貢献や回収の取り組みが業界に広がってほしい」と願っている。
〈ヤギ/「ユナ・イト」拡販へ/ECも活用して〉
ヤギは全社を挙げてサステイナブルな商材開発に取り組んでいる。環境配慮型素材の統一ブランド「UNITO」(ユナ・イト)シリーズはその代表例の一つだ。
このほどユナ・イトの生地を、同社が運営する会員制生地販売ECプラットフォーム「ファブリー」に掲載した。いずれも色付き生地を備蓄し、小口・短納期で供給する。
独自のトレーサビリティーシステム「コットンiD」も絡ませたオーガニック綿糸「ユナ・イト オーガニック」7点、再生綿100%使いの「ユナ・イト リサイクル100」2点、北陸産地の糸加工技術と再生ポリエステル、同ナイロンを組み合わせた「ユナ・イト ポリエステル」3点と「ユナ・イト ナイロン」2点、UVカット、速乾、透け抑制という三つの機能を基本とした再生ポリエステル紡績糸「ユナ・イト プラス」2点――の計16品番。
丸編み地が6点で残りは織物という構成。今後は他の課や福井支店と連携しながら丸編み地、織物、トリコットなど全体の品番数を拡充しつつ、国内顧客だけでなく、「サステは必須」と認識する海外向け販売にも役立てる。
現在のユナ・イトの糸・生地の販売先は国内が大半だが、「プルミエール・ヴィジョン・ファブリック」や「インターテキスタイル上海」などに現地法人と連携して出展するなど、海外でも同シリーズの訴求を続けている。その成果として国内外で新規顧客を徐々に獲得しており、出口戦略として社内製品部門との連携も少しずつ進む。今後は製品受注の獲得にも乗り出す。





