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東レ/宇宙向け高機能素材の開発加速/名古屋で研究拠点が始動

2026年07月01日 (水曜日)

 東レは6月、新たな研究拠点「マテリアルイノベーションセンター」を名古屋事業場(名古屋市港区)内にオープンした。宇宙開発に向けた宇宙空間用の高機能素材の開発などを進める。産学連携の場としても機能させる。

 3階建てで延べ床面積は8600平方メートル。建屋や設備など含めて60億円を投じた。既存の化成品研究所と複合材料研究所の一部の機能を移しており、140人の従業員が在籍。評価・技術実証ゾーンや、オープンラボ、オフィスを設ける。

 創業100周年の記念事業の一環として同センターを建設した。ポリマーやケミカル、炭素繊維複合材料の研究者が集結し、技術融合を図る。リサイクルやバイオマスなどで温室効果ガス排出削減に向けた開発なども推進する。

 同センターでの新たな取り組みとして、宇宙空間でのモノ作りを意識した素材開発に力を入れる。宇宙での3Dプリントなどを視野に入れ、放射線や真空などの宇宙環境下でも耐え得る高機能樹脂の開発を目指す。

 同社はこのほど、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が公募した宇宙戦略基金事業(衛星など、第2期)に採択された。大学や異業種企業との協業を進めており、同センターの機能を生かすことで宇宙向けの研究開発を加速する。

 次世代モビリティ向けの材料開発にも取り組む。自動車向けで静音・制振の樹脂材料の開発を進める。エアモビリティ向けは従来の炭素繊維強化プラスチック(CFRP)を軽量化した炭素繊維強化フォーム(CFRF)のさらなる実用化を図る。

 名古屋事業場内で6月29日に行われた同センター開所式で、大矢光雄社長は「研究開発にはスピード感が重要。産学の協創ハブとして、新たな事業の種を生み出していきたい」と意欲を示した。