日本化学繊維協会 国内生産を見直す時期
2026年07月02日 (木曜日)
日本化学繊維協会は1日、本委員会を開催し、旭化成の工藤幸四郎社長が新会長に選任された。工藤会長は、日本の化繊産業の現状について言及し、「円安が進行する中、日本生産の方が競争力の高い場合もある。考えを見直す時期に来ている」とした。ただ、国産回帰には人材確保が課題とし、「川上企業の支援も必要」との認識を示した。
化繊産業の現状認識について工藤会長は、「プラザ合意以降にグローバル化が加速したが、それはある意味仕方がないことでもある」とした上で、「今は円安基調が続き、構造が変化している」と指摘。国内生産を見直す局面にあるとして、繊維では競争力のある川中分野を候補に挙げた。
川中である国内産地がさらに強くなることは十分可能としつつ、人材確保が課題とした。産地企業の自助努力だけでは解決は難しく、つながりの深い川上企業が一体となって開発力を向上するなど、「化繊産業全体の魅力を高めることが不可欠」と強調。「自治体との連携も必要」と話した。
そのほか、2026年度は、サステイナビリティーが「目標設定」から「実装・検証」の段階へと移行する一方、地政学リスクの長期化などで事業環境の不確実性が高まっている。そうした状況下で、「サステの推進」「標準化への取り組み」「情報発信の強化」の三つを軸に活動を進める。
サステ推進では、資源循環・脱炭素に関する取り組みの深化や、サプライチェーン全体を視野に入れた人権デューデリジェンス支援活動に取り組む。サステ関連では六つのテーマを設定しているが、今年度については繊維to繊維リサイクルの拡大に向けた検討と化繊産業のカーボンニュートラルの取り組みに重点を置く。
標準化では、先進的な取り組みを進める欧州の標準化動向を注視し、日本発技術・素材の国際競争力確保に資する標準化戦略策定に向けた取り組みに着手。情報発信は、化学繊維の役割や環境配慮型素材の価値を繊維のサプライチェーンや学会・学校などに伝える。また、協会のビジョン・将来像も取りまとめた。
本委員会では、工藤会長のほか、東レの大矢光雄社長が副会長に選任された。いずれも任期は27年6月30日までの1年間。





