オフィス・サービス制服26秋冬(6)/素材編/制服の品質支える高機能生地/東レ/ニッケ/宇仁繊維/サンウェル

2026年07月01日 (水曜日)

 生地供給者の中でユニフォーム分野の重要性が増している。備蓄による小口・即納機能、糸や加工の独自開発力、価格訴求力、認証取得の実績、海外受け渡し機能など、各社がそれぞれの強みを発揮しつつ市場開拓を続けている。注目企業の取り組みを紹介する。

〈世の中にない提案を/東レ〉

 東レの機能製品事業部は、世の中にない素材の提案に力を入れる。サービスユニフォーム市場が盛り上がりを欠く中、「職場に何が必要か」「用途に何が求められるのか」まで突き詰め、新商材の開発に生かす。そうした取り組みを市場活性化や新需要創出につなげる。

 サービスユニフォームは、飲食と接客の両分野ともに厳しさが増している。飲食分野は、原材料費の高騰などによる収益性の悪化が制服の更新に影響を及ぼす。接客分野も中国人観光客の減少もあって一服感がある。厳しい状況は2026年度も続くと予想される。

 こうした事業環境下で、飲食分野ではエプロン用途を中心に新商品の開発に注力する。パンツ用途では軽量感・清涼感のある生地を投入する。従来の延長だけでは成長は難しいとし、「明確な方向性はまだ見えていない」とするが、新たな取り組みにも挑戦する。

 提案素材は、麻調織・編み物「シャミラン」、高捲縮(けんしゅく)糸を使ってストレッチ性を付与した「ライトフィックス」が中心。海外拠点を活用したポリエステル・綿混生地の展開も増やす。

〈グループ横断で暑熱対策強化/ニッケ〉

 ニッケのビジネスユニフォーム部門は、ウールの特性に多彩な機能を掛け合わせ、商材の幅を広げている。完全水平リサイクルプロジェクト「ワヲナス」は、2030年に累計10万着販売を目標に掲げ、交通インフラ企業や学校制服などで採用が決定。確実なマテリアルリサイクルによる循環の仕組みが他社との差別化につながっている。

 素材面では、植物由来ポリエステルを使用した梳毛織物で「バイオブリーザ」が、耐久性やストレッチ性からブルゾンなどの作業服にも波及。高通気素材「クールツイスト」も官公庁向けボトムスへ広がり、洗えて臭わない夏用ウールの強みを発揮している。

 さらにグループ横断による暑熱対策プロジェクトも推進。佐藤産業の保冷剤やサンコーの電動ファン付きウエアなどと連携し、多様なニーズに応えるアイテム開発に注力している。

〈各種機能性生地で開拓急ぐ/宇仁繊維〉

 生地製造卸の宇仁繊維(大阪市中央区)は、機能性に優れた各種生地と、備蓄による小口・即納機能を強みに、ユニフォーム分野の開拓を進めている。

 このほど、ぬれ染みを見えにくくする独自素材「ウニマジック」を開発した。接客サービスや宅配便など汗をかきやすい業種、かつそれを見せたくないという需要に対応する。現在は丸編みと経編みの展開だが、織物の開発も予定する。

 糸の特性と編み立ての工夫により、汗などの水分が生地にかかっても、裏面には染みができるが、表面は染みにならず、見た目を清潔に保つ。生地への後加工ではないため効果も半永久的。通気性、遮熱性、速乾性、ストレッチ性、耐久性も備える。

 4月に開いた同社の個展ではかなり高い評価を得たという。

 そのほか、織物と編み地で展開する高通気の「ウニエア」、高い伸長率と伸長回復率が特徴で織物とトリコットで展開する「ウニフレックス」、杢(もく)調ストレッチの「モクフィット」などもユニフォーム向けにラインアップしていく。

〈ユニ専用見本帳を作製/サンウェル〉

 生地商社のサンウェル(大阪市中央区)はユニフォーム分野開拓の一環として、同分野向け専用の見本帳を今月から投入する。

 同社のユニフォーム分野開拓における強みは、カジュアル市場で培ってきた企画開発力と、幅広い生地を備蓄することによる小口・即納機能だ。この機能を求める顧客から重宝されており、今期(2027年1月期)の同分野向け生地販売も、サービスウエア向けを中心に前年同期を上回るペースで推移している。

 この流れを加速させるためにユニフォーム向け専用の見本帳を投入する。制電糸使いの生地を中心に10マークを収録し、それぞれの生地で色数も豊富に用意する上、別注色にも対応する。

 飲食やホテルといったサービスウエア、スクラブなどのメディカルウエアに次ぐ開拓対象として工場などのソフトワーク分野をターゲットにしており、その開拓にも見本帳を活用する。

 制電糸使いは静電気を抑制したいカジュアルウエアでも一定の認知を得ており、カジュアル分野への転用も狙う。