ユアサグローブ 付加価値高い手袋追求
2026年07月07日 (火曜日)
作業用革手袋製造卸のユアサグローブ(兵庫県たつの市)は、さまざまな要望を具現化させる商品開発力でユーザーからの支持を得ている。湯浅直一社長は「薄利多売よりも付加価値の高いモノ作りを追求してきた」と話す。これまでに作業用手袋をはじめ、官公庁専門のプロ用グローブなど、さまざまなアイデア商品を生み出してきた。
皮革産業が盛んな同市で1961年に創立して以来、作業用革手袋の製造、販売を行ってきた。現在は2008年に完成したベトナム工場と国内工場で生産を行っている。生産比率はベトナム80%、国内20%で、年間生産量は40万双。ベトナムは手袋生産が主力で、国内工場では腰袋などのほか、こだわった商品を生産している。
素材の加工から縫製、出荷まで一貫した生産体制を整えている点が強みだ。なめしや染色といった革の加工まで内製化している手袋メーカーは珍しい。この工程を自社で持つことで、「顧客の要望に応じたモノ作りができる」(営業部の湯浅拓也氏)。
主要販売先は消防や警察、自衛隊といった官公庁と、ワークマンで、それぞれ半々ほどの比率となっている。
同社の作業用手袋を代表する商品が「パンダグリップ」。指先と手のひらに付いた滑り止めがパンダのように見えることからこの名前が付く。グリップ力の高さ、使いやすさから、ロングセラー商品となっている。牛革を採用し、グリップ性とともに握りやすさにこだわった「忍」(シノビ)も売れ筋だ。
もう一段上のプロ向け商品として、1996年には官公庁・レスキュー専門グローブブランド「トンボレスキュー」を立ち上げた。ロープによる降下に適した手袋や、消防ガイドラインに対応した防火防水手袋、救助用の耐切創手袋など幅広い商品をラインアップする。消防用防火手袋は2006年に東京消防庁で正式採用された。
顧客の困り事を手袋で解決
ユーザーからの声を基にした開発力が強みだ。警察からの要望を受けて作った防刃手袋は防刃チェーン内蔵にもかかわらず、それを感じさせない装着感や作業性の高さが特徴。警視庁に5年連続で納品した実績を持つ。
このほか、ポールダンス用の手袋や、ワシなど猛きん類を手に乗せる際に使う手袋など、ニッチな依頼にも対応してきた。湯浅氏は「価格よりもモノ作りが根本としてある。しっかりとしたモノ作りを続けてきたことから、さまざまな依頼が舞い込んでくる」と話す。
今後は国内生産、国内での材料調達を強化する考えだ。為替変動のほか、新型コロナウイルス禍では材料の仕入れが止まるケースが危惧されたこともあり、備えとして国内での生産と材料調達により力を入れながら、顧客の困り事に対応できる体制を作る。





