東レ 非自動車拡大に注力

2026年07月09日 (木曜日)

 東レのウルトラスエード事業部は、現中期経営課題の3年間で事業ポートフォリオを修正する。同事業部は自動車関連分野を主力としているが、偏重へのリスクを回避するため、非自動車分野の拡大に力を入れる。展開先(出口)を増やすことで、事業環境の変化に対して強い体制を構築する。

 同事業部が販売する人工皮革「ウルトラスエード」は、外観や風合いなどに優れ、展開用途が広いのも特徴だ。ただ、全体の半分以上を自動車関連分野が占めており、中島健太郎部長は「自動車の中でも中国の電気自動車(EV)市場に偏っていた面がある」との認識を示す。

 このため前中経では、中国のEV市場の動向に影響を受け、繁忙期と閑散期の差が大きい3年間になった。不確実性が増す中、事業を取り巻く環境も短期間で激しく変化する傾向が見られる。こうした変化に対応できるよう、しなやかでかつ強い体制を作る。

 2026年度が初年度の現中経では、自動車関連分野の維持・拡大を図りながら、非自動車分野を積極的に増やしていく。目を向けているのがコンシューマーエレクトロニクス分野で、米国と東アジア、日本が三位一体となって拡販を加速し、新たな柱に育てる。

 ファッション分野は、現在も高く評価されているメゾン系やハイブランドのアウター用途に加え、アスレジャーなどにも目を向けており、中島部長は「新しい使われ方を探索していく」と強調した。インテリア分野も天然皮革が使えない用途を中心に広げていくとした。

 現中経の3年間は意欲的な成長を計画しているとし、「スエードの可能性を徹底的に深耕する」(中島部長)。同時に、次の3年を見据えて、銀面調をはじめとするスエード以外の選択肢も探っていく。