繊維ニュース

尾州3毛工/国際認証の取得促す/「サステは当たり前」

2026年07月09日 (木曜日)

 尾西、尾北、岐阜県の毛織工業協同組合は3日、愛知県一宮市の尾州ファッションデザインセンターで、「尾州産地“次の一歩を考える”」と題した講演を開いた。信州大学繊維学部特任教授の稲垣貢哉氏が登壇し、「サステイナブルな取り組みは当たり前にやるべきこと」と強調した。

 同市が5月から申請の受け付けを始めた、「尾州海外展開支援補助金」に合わせて開いた。尾州の繊維事業者を対象に国際認証の取得や海外展示会出展の費用などを補助するもので、講演の開催によって尾州の企業に国際認証などの取得を促すことが目的だ。

 稲垣氏は欧州で整備が進むデジタル製品パスポート(DPP)について「日本は薬剤が問題になる」と指摘した。国内の紡績や染色整理、織布工程で使われる薬剤は欧州の基準に沿った登録が進んでいない。「薬品メーカーの協力を仰ぎ、一丸となって取り組む必要がある」と話した。

 サステの取り組みを過大に宣伝するグリーンウオッシュを挙げ、「きちんとした根拠が必要で、そのためには国際認証を取得するしかない」とも語った。その上で、繊維業界のサステ認証を運営する国際非営利団体のテキスタイルエクスチェンジが従来の認証を一本化した新基準に移行することを紹介し、「欧州が最も要求することは強制労働の有無など人権の部分だ」とした。

 経済産業省はDPPへの対応を見据えて、東レと共同で、循環に必要な情報の共有や循環実態の可視化に向けたデータ流通を促す仕組み作りを進める。「ファッションを媒体に、消費者が尾州の多彩な情報や価値にアクセスできるようになれば、産地にとってもチャンスだ」と述べた。

 「消費者と価値を共有できれば、適切な価格でもビジネスは成立する」と呼び掛けた。尾州ならではの特徴ある良質なモノ作りやストーリーを訴求していくことが重要とし、「繊維は成長産業。諦めるのはまだ早い。自信を持って明るく前に進んでほしい」と話した。