繊維ニュース

東レ 強みのナイロン前面に

2026年07月10日 (金曜日)

 東レの婦人・紳士衣料事業部は、ナイロン生地の開発・提案に力を入れる。これまでポリエステルのスーティング(スーツ向け素材)が販売に寄与してきたが、同社の強みであるナイロンを積極的に活用し、展開の幅を広げる。質感と機能を兼ね備えた生地を作り、国内だけでなく、欧米市場にも訴求する。

 同事業部の金子有紀部長は、現中期経営課題で取り組む重点施策の一つにナイロンの販売拡大を挙げた。前中経の3年間はポリエステルのスーティングを中心にビジネスユース市場で存在感を示してきたが、ナイロン生地の打ち出しでスーティング以外の用途の強化につなげる。

 金子部長は「海外の顧客の声を聞くと、東レはナイロンに強い企業という印象を持たれている」とし、「実際に強みの一つであり、それを生かさない手はない」とした。事業部ではポリエステル生地が圧倒的で、ナイロン生地の比率は1割に満たないが、着実に増やしていく。

 ナイロン特有の質感に機能性を加えた生地を投入する。例えば、ずっと触っていたいと思わせる風合いに、撥水(はっすい)や耐退色性などの機能を両立させる。先撚り仮撚り糸使いで独特の風合いを表現した生地、A型断面中空糸を使った「トラセア」に加工を施した生地などをそろえる。

 現中経の3年間ではニット生地(丸編み、トリコット)と輸出拡大にも重点を置いている。ニットは協力会社との連携を深め、東レの差別化糸を組み合わせて付加価値を高める。輸出は欧米市場に目を向けているが、ナイロンが重要なポイントになるとみている。

 そのほか、和装分野にも目を向ける。「シルック」などを和装分野に展開しており、「この分野を守り、維持・拡大することも使命」(金子部長)と強調した。今月7~9日にイタリア・ミラノで開催された服地見本市「ミラノ・ウニカ」では着付けができる社員が着物姿で対応した。