瀧定名古屋など日系4社/ベトナムで日本製生地の見本市/高機能や環境配慮を発信
2026年07月14日 (火曜日)
瀧定名古屋と田村駒、ヤギの繊維商社3社と帝人フロンティアは8日から10日午前にかけて、ベトナムの南部ホーチミン市で日本製生地の見本市を合同で開催している。紫外線予防などの高機能素材や環境配慮素材といった高付加価値品を提案し、地場メーカーへのシェア拡大を狙う。ベトナムに拠点を持つ4社は内需開拓で連携しており、同様の合同見本市を南北2カ所で定期的に開催している。
会場は市中心部にあるホテル最上階。生地サンプルをつるしたラックが一面に並ぶ中、各社がフェイスブック広告などを見て訪れた来場者に向け、商品について説明していた。田村駒のブースでは、日本国内で製造・販売しているシャツ生地を新たにベトナムでも展開しようと、日本から出張で駆け付けた専任の担当者も対応に当たっていた。既存のベトナム向け商流を生かしながらラインアップ拡充を目指す。
4社はいずれもベトナムに現地法人を持ち、地場企業への販路開拓にも力を入れている。新型コロナウイルス禍が落ち着いた約5年前からは、毎年7月ごろの上旬にホーチミン市、下旬に首都ハノイで見本市の合同開催を続けている。見本市の担当者は「各社競合する部分もあるが恨みっこなしで、日系ブランドの認知向上と商機創出に向けて協力して集客している」と語る。
同担当者は「例年ハノイ会場の方がよりにぎわう傾向にある」と話す一方で、今年のホーチミン市開催の初日は例年よりも来場者が増えていると手応えをにじませる。会場では若い来場者の姿も目立ち、「自作アパレルのオンライン販売などを行う個人事業主や小規模事業者が、体感ベースで半数余りを占める」という。担当者は大口顧客だけでなく小規模な事業者への納入実績もあると説明。「勉強目的の参加者も一定数いるが、PRを通じた日本の生地のブランド向上も狙いの一つ」と語る。
〈日系の地場への提案加速〉
ベトナムでは近年、経済成長に伴う地場ブランドを含めたアパレル市場拡大への期待、中国からのメーカーの移転、新型コロナウイルス禍での事業戦略見直しなどを背景に、日系の繊維企業による内需開拓の動きが加速している。東洋紡は2024年にベトナム国内販売のライセンスを取得。クラボウもコロナ禍以降に内販営業を再始動しているほか、シキボウもこれまで日本で販売してきた高機能生地を今年からベトナムでも生産し展開する方針を示している。
[NNA]





