特集 今治タオル産地(6)/繊維機械編/扱いやすさを向上/イテマ/エディー/伊藤忠マシンテクノス/ストーブリ

2026年07月16日 (木曜日)

 国内のタオル市場や購買手法が変化・多様化する中、今治産地では独自性や高付加価値を追求した製品開発が進む。その企画を形にする繊維機械も進化を続けている。

〈今治での販売は回復傾向に/操作性などが好評/イテマ〉

 イテマ(イタリア)の日本法人であるイテマウィービングジャパン(大阪府茨木市)は今治産地に向けて、タオル用レピア織機「R9500EVOテリー」の提案を進める。R9500シリーズの第3世代機で、導入を検討する企業からは特に操作性やパイルの品質などが注目されている。

 R9500EVOテリーは、2023年のITMAミラノで発表された最新機種で、コンソールパネルの進化による扱いやすさや省エネ性の向上などが特徴。Wi―FiやBluetoothなど通信系機能も拡充されている。パイル形成装置は22年に発表されたR9500―2テリーから継承しており、パイルの風合いが好評を得ている。

 今治での受注は25年は低迷したが、今年に入って回復している。老朽化した設備からの更新需要を中心に動きが出ているもので、1~6月の受注は前年比増で推移した。

 今治では、特に織機の扱いやすさや高品位なパイル形成などが評価されて導入されている。今後は今治での営業活動をさらに強化する考えで、これまでイテマ製を導入したことがない新規顧客の開拓にも注力してR9500EVOテリーの拡販を狙う。

〈ウルティマックスを提案/扱いやすい機種として評価/エディー〉

 ピカノール(ベルギー)の日本総代理店を務めるエディー(大阪府東大阪市)は、今治産地に向けてタオル用レピア織機の最新機種「ウルティマックス テリー」の提案を強める。欧州での導入に続いて、今年は日本での1号機が今治に導入され、扱いやすさやパイル品質などの面で評価を得ている。

 ウルティマックス テリーは2023年の「ITMAミラノ」で発表された最新機種。ピカノールの織機は、幅広い糸種への対応や多様な緯入れ、高生産性に加え、デジタル技術を活用した扱いやすさなどに重点を置いて開発されている。日本では人手不足を背景に扱いやすさへの要望が特に高く、熟練した技術者でなくても安定した製織が可能な機種として注目されている。

 1号機の導入以降、今治での引き合いは増えているが、パイルの品質から導入を検討する企業も多いという。ウルティマックス テリーは、独自のパイル・モーター設定で生地を直接駆動させると同時にバックレストが動き、正確にパイルを形成。汎用(はんよう)性も高く軽量なタオルから重厚なバスマットまで対応する。

 日本での技術サービスは、欧州と中国の両方から対応できる形にしている。

〈津田駒の最新AJL前面に/カム筬打ちで高品位/伊藤忠マシンテクノス〉

 伊藤忠マシンテクノスは今治産地に向けて、津田駒工業の最新エアジェット織機(AJL)「ZAX001neoテリー」と、梶製作所(石川県かほく市)の部分整経機「KGA163C」を重点提案する。

 津田駒工業のZAX001neoテリーは、フルモデルチェンジしたタオル用AJLの最新機種で、今春に田中産業で開いた内覧会には約30社が来場し好評を得た。特に注目されたのが、タオル専用のカム筬(おさ)打ちシステム「カムビーティング」で、高速・高品位のタオル製織を実現している。

 タオル専用に最適化したカム曲線を導入し、飛走角を拡大して緯入れ時間を伸ばし、難易度の高い緯入れや高速化を可能としている。また、筬ストローク縮小と枠の近接化で経糸への負担が軽減され、パイル抜けやパイル糸の毛羽不良を減少させている。デジタル化やメンテナンスの容易化など扱いやすさも向上している。

 梶製作所(同)と共同開発した部分整経機「KGA163C」は扱いやすさが特徴で、既に今治で7台、泉州で2台が導入されている。

 張力管理のデジタル化やタッチパネル操作などで、非熟練者でも高い品質で整経できる形になっている。人手不足への対応としても注目が高まる中、生産性向上に寄与する機種として注目を集めている。

〈電子ジャカードが堅調/大口化の傾向も/ストーブリ〉

 ストーブリの今期(2026年12月期)の繊維機器販売は、順調だったドローイング機に一服感が出ている一方、電子ジャカード機が堅調で、ドビー機も安定して推移している。

 電子ジャカード機は昨年末ごろに和装や産業資材用途などで引き合いが増えたのに続き、年明けからは今治でも契約が進みだした。需要が多いSXから大口のLX、LXL、LXXLまで新機種のプロシリーズをそろえて展開しているが、導入した先からは「扱いやすくトラブルが少ない」点などが評価されているという。プロシリーズは新システムの採用や電装ユニットの一新などで扱いやすさを向上しており、省エネ性なども高めている。

 足元の電子ジャカード機の今治での需要は、口数が多い機種への注目が高まっているのが特徴。バスやフェースなどさまざまなアイテムに対応できるようにするため、大口の機種で汎用(はんよう)性を高める動きが見られるという。これまで導入されてきた2608口のSXプロではなく4608口のLXプロを選ぶ動きも出ているといい、年内にLXプロの今治での1号機が導入される予定。

 新たな動きでは、今治ではこれまで少なかったドビー機への引き合いも出ているという。