ワークウエア/広がる難燃作業服/労働安全への意識高まり
2026年07月23日 (木曜日)
企業の労働安全、コンプライアンスへの意識が高まっている。労働者に対し、各現場に配慮した安全性の高いワークウエアを支給することは企業が取り組める労働安全対策の一つだ。機能性作業服の一つに難燃作業服がある。同カテゴリーを拡充する動きが見られるようになってきた。(秋山 真一郎)
難燃作業服は燃え広がりにくい素材・設計を採用したウエアで、鉄鋼や鋳造、溶接など、火花やスパッタ(溶接時に飛散する微細な金属粒子)が発生する現場で着用される。業種によっては「綿100%の作業服で対応している企業が大半」(ワークウエアメーカー関係者)な中、安全意識の高まりや人材確保などを目的に、よりスペックの高い難燃作業服を求めるニーズは一定数存在するとみられる。
バートル(広島県福山市)は26秋冬、難燃加工を施した綿100%の生地を採用するウエア、8301シリーズを投入する。同社としては初の難燃作業服となる。
数値が高いほど燃えにくく、26以上あれば防炎性を持つとされるLOI値は29・8を実現。製品洗いによる防縮性とともにストレッチ性も持ち、快適な着心地を実現。万が一、着火した時にも脱ぎやすいように、ファスナーではなくシャツタイプとした。
TSデザイン(同)は26春夏で、綿100%生地に難燃加工を施した「FRストレッチツイル」を採用したウエア、391シリーズを打ち出した。広島県内の船体ブロックメーカーの社員に約3カ月着てもらい、着用試験を実施。拾い上げた意見を開発に生かした。
JIS T8130火炎に対する防護服の規格に適合する。綿素材ながらも、横方向に約9%のストレッチ性を付与するなど動きやすい。26秋冬では難燃シリーズに溶接帽も追加している。
難燃・防炎加工を施した綿100%のワークウエアブランド「HONO」(ホノー)の充実を図っているのは村上被服(広島県府中市)だ。26秋冬に向けては、裏フリース採用のウエアを初投入する。優れた保温性と難燃性の両立によって、寒冷下でも快適な作業をサポートする。「溶接及び関連作業用防護服」規格のJIS T8128など、各種JIS規格にも適合する。
このほか、エプロンとパンツが合体したようなエプロンパンツやベルトなども用意するなど、難燃アイテムによるコーディネートの幅出しを行っている。
ウエアの共同開発の事例も出てきた。難燃性と冷感機能が両立したインナーウエアの開発にクラボウとリベルタ、今治造船(愛媛県今治市)、ハイドサイン(東京都中央区)が共同で取り組んでいる。スパッタが発生する造船現場において、作業者の安全性と快適性を高めたウエアを連携によって開発する。
今夏から今治造船グループの作業者約500人を対象に着用試験を行って最終仕様を決め、来年に本格導入する予定だ。





