2026年夏季総合特集(3)/わが社の情熱/蝶理/日清紡テキスタイル/豊島
2026年07月28日 (火曜日)
〈蝶理/付加価値生むモノ作り追求〉
蝶理のモノ作りは、素材の独自性に加え、生産背景や品質対応まで含めて設計する。川上から川下までをつなぐ蝶理ならではの視点が、サプライチェーンに価値を生み出す。
メンズに向けた生産背景については、カンボジア・シハヌークビルの工場の供給能力を訴求する。同工場は蝶理専用のスーツラインを設けており、年間で上着は90万枚、パンツは70万枚の生産能力を持つ。
ベトナムでは、ハノイの旧国営の大型工場を活用する。アウターを主力とし、214ラインが稼働する同工場は、コストレンジに応じた使い分けも可能とする。
2025年度からは、ダナンのセットアップ工場の活用も始めた。生産管理、品質管理をバックアップし、品質強化に取り組んでいる。
国内でも北陸産地との連携を生かし、原糸から加工までをつなぐことで、高付加価値素材を生み出せるのも強みだ。
ペットボトル由来の再生ポリエステル糸「エコブルー」、高伸縮機能糸「テックスブリッド」、ストレッチ性を持つピン仮撚糸「SPX」といった独自素材に、天然繊維や北陸産地の地場素材、加工技術を掛け合わせたシリーズも打ち出す。機能性にとどまらず、トレンド感やファッション性までも備えた商材をそろえる。
高付加価値素材では、長繊維の不織布を折り重ねることで特有の凹凸構造を生み出し、暖かさと軽量性の両立を実現させた中わた「TORIKUMO」(トリクモ)を新たに提案する。長繊維を使用することで、表地から繊維の抜けや吹き出しがなくなるメリットも訴求し、多様な用途への展開を目指す。
〈日清紡テキスタイル/総合力生かしニーズを形に〉
日清紡テキスタイルは、今年発足したマーケティング推進室を軸に、事業部の枠を超えた総合提案に力を入れている。現在は9人在籍し、社長を除く8人が専任となり、営業、開発、商品企画、海外担当など異なる経験を持つ人材が集まった。自社技術に外部の力も組み合わせ、顧客が求めるモノ作りを形にする「メーカー型商社」を目指す。
同室は、シャツ、ユニフォーム、ポリウレタン製品「モビロン」の各事業やグループ会社をつなぎ、部署をまたぐ案件への対応や商品開発、プロモーションなどを担う。「顧客が求めるものを第一に考える」方針の下、営業に同行して顧客の声を直接聞き、社内の素材や加工の知見を持ち寄って要望を具体化し、各事業を横断したクロス営業にもつなげている。
メーカー型商社としての土台となるのが、紡績や織布、加工まで幅広く持つ技術力だ。綿などのセルロース繊維を含む生地に後加工で消臭機能を付与する「ナノフレッシュ」など独自の加工技術を軸に、自社にない技術は外部企業や協力工場から取り入れ、要望に応じた商品を形にする。
綿をモノ作りの原点と位置付け、高機能コットンの提案も強める。「イノベーションコットン」を意味するモノ作り推進ブランドの総称「イノバコット」のブランディングを進めており、用途に応じた快適性を備えたハイパフォーマンス素材シリーズとして展開を予定する。
「人びとの“着たい”と社会の“期待”にモノ創りで応える」を掲げ、部署や会社の枠を超えて新たな価値を生み出す。
〈豊島/高付加価値商材で異業種開拓〉
豊島名古屋本社の製品部門は、さまざまなOEM受託の実績と知見を生かし、商流の拡大と、機能や素材特徴、知的財産(IP)をフル活用して高付加価値商材の開発・販売を推進し、主要販売先との取り組みを深化させる。
山田茂雄執行役員はライフスタイル全般に寄与する商材提供について「モノ作りに真摯(しんし)に向き合った経験が新商材の開発に生かされる」と説明した。
主要販売先はカジュアルアパレル、ワーキング、スポーツ小売、ディスカウント業態、ホームセンター、雑貨など多岐にわたる。今期(2027年6月期)方針は①大手SPAなど、既存販売先との取り組み拡大②付加価値商材の開発と拡販③異業種・新規顧客の開拓――を掲げる。
素材部門、事業開発室、営業支援室、デザイン・イノベーション室との連携を重要視し、差別化商材の開発を進める。現在、大半の販売先と来春夏物の商談を進めており、暑熱対策商材の営業を強化している。
ペルチェ素子を使用したベストやネッククーラーなどの受託増に期待を込める。生活雑貨の品種も増え続けており、提案力の強化や販売手法の高度化を図る。
差別化商材で腰の負担を軽減する「腰シャキ!パンツ」や「腰シャキ!ベルト」は企業への試験導入が増える。暑熱対策商材とともに、企業への供給増を狙う。「関西物流展」や「ツールジャパン」といった異業種展示会に出展して、新たな商流の可能性を探る。





