ごえんぼう

2026年07月29日 (水曜日)

 映画『クライマーズ・ハイ』で熱量のある新聞記者を演じた堺雅人さんが、ポケットに手を入れて裸の小銭をじゃらじゃらと鳴らしながらエレベーターを待つシーンが妙に格好良く印象的だった▼映画の設定は1985年。小銭が不可欠な時代だった。キャッシュレスが進む現在。小銭を持ち歩く機会が減った。小銭を預けるのに手数料を取る金融機関もあり、冷遇されている▼造幣局が11年ぶりに1円玉を量産する。この10年ほど市中の需要が少なく、毎年50万枚程度しか作られていなかったが、今年度は1億3200万枚と、大幅な増産に踏み切った▼セルフレジでの釣り銭需要の増加などが背景にあるという。さらに物価高で端数価格品が増えたことや、財布にある現金だけ使い“見える化”することで支出を抑える動きなども、1円玉需要を押し上げているとされる。再び脚光を浴びる小銭。厳しい世相の表れかもしれない。