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福井経編興業/付加価値型を継続追求/心・血管修復パッチ以外も

2026年07月29日 (水曜日)

 福井経編興業(福井市)は引き続き付加価値型の事業構造への転換を追求する。同社は衣料向け中心だった事業構造を10年前に方向転換し、付加価値型に軸足を移した。

 帝人、大阪医科薬科大学と共同開発した心・血管修復パッチ「シンフォリウム」はその象徴で、開発に10年を要し2024年に発売したが、順調に広がりを見せる。シンフォリウムを使用した新生児の先天性心疾患手術は当初150例を想定したが、現在では300例に達する。

 競合素材が成長に伴い複数回の手術を要するのに対し、シンフォリウムは2倍の大きさまで伸長するため手術が1回で済むメリットがある。

 NHK「プロジェクトX」で取り上げられた反響もあり、全国の病院からの問い合わせも多い。講演活動なども通じて医療関係者へシンフォリウムの認知が進むほか、海外からの関心も高く、髙木義秀社長は「今後のさらなる広がりに期待できる」と手応えを示す。

 来年からは米国を皮切りに欧州、インド、東南アジアへと順次、販路を広げる計画だ。同時にこの技術を活用した成人向け製品の開発も進める。

 付加価値型の開発では産業資材向けにも注力。水処理膜用や床ずれ防止シーツも商品化している。

 同社は本社工場に58台、子会社のジェフティ(福井県大野市)に40台の計98台の経編み機を保有する(シンフォリウムは専用のクリーンルームで生産)。

 現在の稼働率は約95%。前年苦戦した衣料を中心とする既存分野が回復傾向にある。一方で長期的には既存分野の縮小が予想されるため、中東民族衣装やユニフォームなど量を確保できる案件を積極的に受注し、設備稼働を維持する。

 同時に「円安や中東情勢など外部環境の変化は大きい。厳しい環境下で勝ち残るには日々の開発が欠かせない」と強調。引き続き付加価値型の事業構造を追求する。