新用途の創出が鍵 東洋紡エムシー
2026年07月30日 (木曜日)
東洋紡エムシーは高機能ファイバーの中期課題として、新用途開拓に取り組む。同社は4月から新中期経営計画をスタートしたが、高強力ポリエチレン繊維やPBO繊維の高機能ファイバーは「新用途を創出できるかが成長の鍵を握る」(松岡豪高機能ファイバー営業セクション長)。その一環として糸だけでなく、基礎開発から連携できるパートナーとも協業し、将来に向けた加工品のデータ蓄積も強化する。
同社は溶剤ゲル紡糸による高強力ポリエチレン繊維「イザナス」、溶融紡糸の高強力ポリエチレン繊維「ツヌーガ」、PBO繊維「ザイロン」などを製造販売する。
イザナスはロープや釣り糸向けが海外中心に拡大し、年産1千㌧設備がフル稼働中。一方、新規需要として狙う浮体式洋上風力発電向けは事業者の日本撤退が続き、本格化は2035年以降とみられるため、係留索としての採用も遅れる見通しだ。
このため、同製法の高強力ポリエチレン繊維を製造するオランダ・アヴィエントとの協業も含め実証実験を積み上げ、競合するポリエステルとの違いを訴求。浮体式洋上風力発電の本格化に備える。
ツヌーガも年産1600㌧設備がほぼフル稼働となるが、中国品との競合が厳しさを増す。主力の耐切創手袋や冷感寝具で競合するため、原着糸を使った漁網・ネットや、アパレル、アウトドア用バッグなど新用途開拓を進める。細繊度や国産による品質安定性の強みも生かし、主力の耐切創手袋でも攻勢を強める。
ザイロンは年産200㌧の設備に余力があり、現在の1・3~1・5倍の販売増を目指す。既存の耐熱フェルトや消防服向けに加え、航空宇宙分野や炭素繊維との複合材によるスポーツ用、工業用、電気自動車向けリチウム電池の防護材など成長領域で採用拡大を目指す。





