繊維ニュース

東レ、DNP、サッポロビール/長寿企業の条件「変革」と「理念」/持続的成長の秘訣探る

2026年07月30日 (木曜日)

 東レと大日本印刷(DNP)、サッポロビールは28日、トークセッションを東京都内で開催した。東レは今年4月に創業100周年を迎え、DNPとサッポロビールはともに創業150周年。長寿企業3社の役員が対話・討論を行い、持続的成長の秘訣を探った。

 トークセッションのテーマは「長寿企業のDNAから、企業の持続的成長の秘訣を考える」。東レの島地啓上席執行役員、DNPの杉田一彦専務、サッポロビールの武内亮人常務執行役員が登壇し、長寿企業研究の有識者で、作家・コンサルタントの佐藤智恵氏がファシリテーターを務めた。

 長寿の要因について、変化したことを尋ねられた島地氏は「市場での立ち位置や出口」とし、「糸の製造から始まり、生地、縫製品に広がっていった」と回答。変化させなかったことについては「人を大切にし、社会に貢献するという創業以来の理念」と答えた。

 長い歴史の中で迎えた経営危機を問われると、島地氏は、自身が入社して以降の話として「ITバブルが崩壊した2000年代。コスト削減などの体質強化で乗り越えた。思えば2000年代にファーストリテイリングとの取り組みが始まるなど転換点だった」と振り返った。

 杉田氏は戦中・戦後の経済統制とし、「それを乗り越えるために新たな事業に進出した」と説明した。武内氏は「新型コロナウイルス禍」と即答し、「外食産業を中心に売り上げが一瞬で蒸発した。価値を再考し、ビールを作るだけでなく、体験創造業を志向した」と話した。

 これからの100年については、「人を事業活動の中心にし、常に変革し続ける」(島地氏)、「人とのつながりを大切にしつつ、前例を力に、前例のない夢に挑む」(杉田氏)、「開拓者精神を持ち続ける」(武内氏)といった声が上がった。

 DNPは、創業100年以上で売上高100億円以上の企業を対象に「長寿企業に関する経営意識調査」を実施し、その結果も公表した。長寿企業を六つのタイプに分類し、東レはガバナンスのきいた組織力と堅実な運営が特徴の「統制・堅実型」とした。