全国テキスタイル産地特集Ⅰ(8)/生き残りへ向け強み発揮/第一織物/東洋染工/川田ニッティンググループ/木地リード/福井経編興業/テックワン/大喜
2026年07月30日 (木曜日)
〈第一織物/商品拡充で下期に挽回〉
第一織物(福井県坂井市)の上半期(2025年12~26年5月)は、国内向けの低迷が響いた。主力の秋冬物が中心となる下半期(6~11月)は、開発やマーケティングの強化で顧客数の拡大を図り、国内外とも伸ばす考えだ。
上半期は韓国や欧州が堅調で中国も底打ちしたが、国内の春夏物が低迷した。得意とする秋冬物が中心となる下半期は、マーケティングや顧客開拓を強化して挽回する考え。
このほど営業部傘下の組織としてマーケティング&開発チームを新設し、マーケティングを強化していく。今夏には東京支店を移転・拡充して常設ショールームを充実させ、国内外の顧客との関係強化に生かす。
得意とする薄地高密度織物を軸に開発も強化していく考え。
〈東洋染工/改めて新商品開発を強化〉
編み地染色の東洋染工(福井県坂井市)の4~6月は受注が計画の80%、売り上げが同90%で推移した。7~9月もほぼ同水準となる見通しで、10月以降の回復に向けて新商品開発を強化する。
足元では、滞っていた新商品開発を改めて強化している。スポーツやインナーなどさまざまな用途で顧客と取り組んでの開発を進めており、10月以降の受注回復につなげる。猛暑対策の遮熱や冷感など幅広いテーマで開発が進んでいる。
独自加工も引き続き堅調で、快適加工「アクアホール」や防汚加工「ヒシード」などが堅調に推移する。市場の付加価値を重視する流れも追い風となって独自加工への注目が高まっている形で、新しい用途や顧客の開拓が進んでいる。
〈川田ニッティンググループ/製品でトリコット訴求〉
トリコット製造の川田ニッティンググループ(富山県南砺市)は、自社ブランド「tococie」(トコシエ)で、製品展開を強化している。伸縮性、軽量性、通気性などに優れるトリコット「KAIHOU360」(カイホウ360)を主力素材に、スーツやボクサーパンツ、スラックスなどを商品化。クラウドファンディング「マクアケ」で展開し、売り上げは累計1300万円を超えた。
トリコットの魅力を製品にして分かりやすく伝え、生地の販売につなげる狙いで、スーツやスポーツ用途などの拡大につながっている。今後も生地開発と製品展開を強化し、トリコットの用途拡大を図る。
新しい用途の開発はトコシエ以外でも着実に進んでいる。足元では農業資材用途のほか、スクラブなどに採用が広がっているユニフォームも伸びしろがあるとみて開発を強化する。
〈木地リード/産地との取り組み深化〉
リードやヘルドなど織機用パーツ製造の木地リード(石川県白山市)は、ユーザーの課題解決につながる開発を強化する。木地治三郎社長は「顧客の不十分が開発テーマ」とし、産地企業との取り組みを深めながら開発を強化する。ウオータージェット織機用では近年、より細く繊細な糸を使うケースが増える中、それに対応する開発にも力を入れている。
エアジェット織機用ではガラス繊維用が好調に推移する。ガラス繊維の製織はパーツも高い品質が必要で、技術が生きる領域。中国工場は生産品の90%がガラス繊維用という。
原材料や金型の価格が高騰する中、今後はコストダウンを視点にした開発も重視する。その一環で検査作業の自動化による効率化などを検討していく。
〈福井経編興業/付加価値化へ開発推進〉
福井経編興業(福井市)は引き続き付加価値化に向けた開発に力を入れる。同社は10年前に高付加価値化へ方向性を転換した。
その代表が帝人、大阪医科薬科大と共同開発した心臓・血管修復パッチ「シンフォリウム」。先天性心疾患の外科手術に使用される。2024年に発売し、現在までに想定を超える300人の手術に使用された。さらなる広がりに期待する一方、海外販売や成人用の開拓にも力を入れる。
水処理膜用資材や病院用シートなどを事業化するなど衣料用以外の強化も推進する。衣料向けは直近の受注が回復傾向も既存分野の見通しは厳しい。そのため、中東民族衣装やユニフォームなどの新規開拓に力を入れる。
〈テックワン/新たな柱を構築〉
テックワン(石川県能美市)の4~6月は、主力のアウトドア用途をけん引役に引き続き順調に推移した。ただ、足元では先行きの不透明感が強まっていることから、「ラミネート、フィルムに続く柱を作る必要がある」とし、新規事業の拡大に注力する。
その一つが製品事業で、機能性と感性を備える「オルテック」や医療用マットレス「メディマット」の拡大に注力する。
オルテックは百貨店での期間限定店を各地で開き、認知度が高まってきた。傘を皮切りにコートや帽子などにもアイテムを広げており、今後の拡大を狙う。
メディマットは、車いすの褥瘡(じょくそう)予防として注目されている。特に介護のレンタル市場での拡大を狙う。
〈大喜/かばん用途などが伸長〉
大喜(福井県坂井市)は、カーシート用途に次ぐ新しい柱の構築に注力する。近年は雑貨用途が伸びており、自動車用途の比率は50%ほどになっている。
今後も新しい商品の開発に注力し、展開用途を広げていく考え。レピア織機とエアジェット織機を保有するが、ジャカード品、ドビー品とも開発を強化しており、新しい先との案件も増えている。
独自商品では、発光ジャカード織物「ライトウィーブ」の用途開発が進んでいる。光ファイバーを織り込んで、ジャカード柄を多彩な色で光らせることができ、自動車以外を含むさまざまな用途で注目されている。





