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伊藤忠繊維貿易〈中国〉/スポーツ深耕で2桁成長続く/中国内販、欧州向け拡大で

2026年08月05日 (水曜日)

 【上海支局】伊藤忠商事の中国法人、伊藤忠繊維貿易〈中国〉(略称ITS)が、国内外スポーツ・アウトドアブランド向け事業を伸ばしている。2026年3月期決算は売上高が前期比15~17%増、営業利益が約17%増と増収増益を達成。26年4~6月期も前年同期比2桁%の増収増益を維持している。

 売上高の約8割を占める中国内販では、地場スポーツ最大手の安踏(アンタ)グループ向けが引き続き堅調に推移する。同社が新規に導入したブランドとの取り組みも着実に拡大している。

 地場企業が運営する欧州スポーツブランド向けも好調だ。スキーなど専門カテゴリーをデザイン段階から一括して手掛ける体制をこの3年間で構築し、「重要案件へ成長した」と、溝内剛士董事長は話す。

 グローバルブランド向けでは、欧州スポーツブランド大手との取り組みを拡大。デニム製品やローゲージセーターなど、ファッション性が求められるラインを中心に、高い意匠性や商品開発力、中国国内の生産背景が評価されている。

 生地開発から製品納品までの一貫提案も強化する。日本や中国、台湾の高機能素材を組み合わせ、特に織物分野で競争力を高める。地場アウトドアブランドには、生地と製品の両面で深く入り込んでいる。開発スピードや意匠性に加え、課題解決力やきめ細かな対応力が高く評価されている。

 ブランド内販事業では「グラミチ」と「タイオン」を主力に展開。グラミチは現在、電子商取引(EC)運営パートナーを変更し、販売体制を強化している。価格統制や販路整理を優先し、ブランド価値の再構築を進めている。

 一方、グループ会社のプロミネント〈ベトナム〉と連携したベトナム生産の活用にも力を入れる。中国市場で販売するために必要なGB規格(中国国家標準規格)への対応ノウハウを武器に、中国内販を拡大する韓国ブランドのベトナム生産を支援。また、アンタグループの東南アジア市場での地産地消体制の構築も後押ししている。

 今後の成長戦略の柱は、川上から川下までの機能を融合した「ハイブリッド型」の事業展開だ。素材・製品の生産機能を核に、ブランド運営や投資機能も組み合わせ、顧客への提案力を高める。長年培ってきたモノ作り力を基盤に、新たな付加価値の創出を目指す。