特集 東海産地(5)/東海を支える商社/豊島・浜松支店/信友・原糸部

2026年08月10日 (月曜日)

〈豊島・浜松支店/生地開発、販売の重要拠点〉

 豊島の浜松支店(浜松市)は、遠州産地との協業で、高品質で付加価値の高い生地の開発・販売を行う。生地の電子商取引(EC)サイト「テキスタイルネット」の運営や、生地備蓄販売「HTシリーズ」も手掛ける。

 遠州特有のシャトル織機による製織技術や、地元企業が培った染色整理加工技術を生かす。温暖な気候を生かし、生地に独特の風合いをもたらす「天日干し」加工も人気だ。近藤裕幸執行役員は「遠州産地に製造を依頼することが、産地のモノ作りを支える」と話す。

 テキスタイルネットは、企業・個人合わせて数万人の会員を持つ。使いやすい機能を追求するとともに、一部で戦略価格品を出品するなどサイトの活性化を図る。海外からの購入事例もあるため、将来的には輸出につなげたい考えだ。

 HTシリーズは機能性商材を拡充していく。環境配慮型素材は標準化しているため、機能性の訴求を強める。ECや備蓄販売の顧客への直接提案も進める。

〈信友・原糸部/備蓄と販路開拓で産地支える〉

 信友(名古屋市中区)の原糸部は、需要を先読みした原糸の最適備蓄で、東海をはじめとする国内産地のモノ作りを支える。綿糸を軸に、合繊糸や長繊維糸まで幅広く扱い、用途に合う商材を届ける。「顧客が求めるものを第一に考える」(筒井達也原糸部長)方針の下、顧客の要望に応じて生地や製品など出口を見据えながら提案の幅を広げる。

 大阪、名古屋の原糸部に所属する13人の営業担当者が、産地ごとの原糸の需要動向を把握し、必要な品種や数量を見極めて適切な備蓄を確保している。海外紡績の納期が長期化する中、早めの手配で安定供給を維持する。

 新たな受注を呼び込むため、生地の販路開拓にも力を入れる。遠州や播州産地の綿織物を海外エージェント経由で現地アパレルに提案するといった取り組みを他産地にも広げる。

 オーガニック認証「GOTS」など五つの国際認証も活用し、認証を必要とする企業を取りまとめる案件も動き始めた。原糸から生地、認証まで関わり、産地の商機を増やす。