綿紡績大手の4~6月期 繊維は厳しさ続く

2026年08月14日 (金曜日)

 綿紡績大手の2026年4~6月期連結決算が出そろった。繊維事業では、事業譲受が寄与したシキボウが大幅な増収増益となったが、全体的には中東情勢の悪化やコスト上昇などを背景に苦戦が目立った。人工知能(AI)や半導体関連など非繊維分野は好調で、一部の業績を押し上げた。

 シキボウは、25年12月30日に譲受したユニチカグループの衣料繊維事業の業績が加わり、大幅な増収増益となった。原糸販売はベトナム向けが好調に推移し、ユニフォームもサステイナブル素材の生地販売や事業譲受による商権の拡大で売り上げを伸ばした。これまで業績をけん引してきた中東民族衣装向け生地輸出は、中東情勢の悪化を受けて減少した。

 クラボウは、原糸販売ではインドネシア子会社のニット向けなどが減少し、カジュアルも国内SPA向け製品の受注減が響いて減収となったが、赤字幅は縮小した。ユニフォームは、インドネシア子会社の生地販売から撤退したものの、難燃素材「ブレバノ」などが堅調に推移し、暑熱リスク・体調管理システム「スマートフィット」も新規顧客を獲得して増収を確保した。

 富士紡ホールディングス(HD)の生活衣料事業は、インナー製品「BVD」などが量販店の売り場縮小に加え、消費者の節約志向を受けて販売が減少した。海外向けは日中関係の悪化の影響で受注が鈍化し、繊維素材も人件費やコスト増、円安の影響を受けた。

 日東紡の芯地などを含む資材・ケミカル事業は、産業資材用グラスファイバーの販売増や価格改定の効果が寄与し、大幅な増益となった。子会社の日東紡アドバンテックスは、4、5月の販売が低調だったが、6月以降は持ち直した。7月以降は芯地などを中心に価格改定を進め、通年で前期比増収増益を目指す。

 日清紡HDの上半期(1~6月)の繊維事業は、売上高153億円(前年同期比7・2%減)、営業損失7億9400万円(前年同期は4600万円の利益)となり、赤字に転落した。

 シャツは、インドネシア内需の不振や秋冬物の一般ドレスシャツの受注が低調で損失が拡大した。ユニフォームもワークウエア向けの販売が苦戦し、ブラジル拠点は原綿相場の下落に伴う綿糸販売価格の低下が響いた。年間では黒字を計画し、インドネシア拠点の構造改革などで下半期以降の収益改善につなげる。