瀧定紡織品〈上海〉/26年上期は輸出貢献で増益/内販はスポーツ顧客を強化

2026年08月14日 (金曜日)

 【上海支局】瀧定の中国法人、瀧定紡織品〈上海〉の2026年1~6月期は、売上高が前年同期比微減となったものの、収益性の改善で増益となった。中国内販は増収を確保した一方、価格競争が激しく利益面では厳しい。輸出の売り上げは前年の高水準の反動や欧州向けの減少で微減となったが、収益性が相対的に高く、全体の利益を押し上げた。

 中国市場では、消費者の節約志向が強まり、「日本製だからというだけでは販売が難しくなっている」と黒田剛臣総経理は話す。素材の機能や価格のバランスがより重視されている。また、消費者の関心も衣料品中心から、スポーツやアウトドア、健康などライフスタイル分野へ広がっている。

 こうした中、内販では約1年前から従来の日本品に加え、中国品の取り扱いを増やす動きを加速している。まだ売り上げベースの割合で1割にも達していないが、大きく伸びている。

 中国品の新シリーズを立ち上げるほか、東レと連携した機能性素材ブランド「エボトゥルース」にも注力している。同ブランドは、日本国内での展開が始まったことで、アイテムの拡充や日本での実績を生かした提案が可能になった。

 中国市場の変化を受け、各拠点で対応を進めている。深センはカジュアルからスポーツへの顧客転換を早期に進め、成果が数字にいち早く表れた。北京も従来のエレガンスブランドからスポーツ重視へと営業方針を転換し、スポーツ分野が伸びている。

 一方、ブランド・顧客数が多い上海や杭州では、対応が遅れている。従来主力だった百貨店ブランドなどの低迷を受け、営業方針の見直しを進めているところだ。

 中国製生地・製品の輸出では、主要顧客の欧州大手SPAがエジプトや北アフリカなど地中海周辺での生産を増やしており、中国からの輸出に影響が出ている。

 一方、同社は顧客が求める難易度の高い商品開発を担いながら、採算性を考慮した案件も組み合わせる営業を進めている。縫製工場では提案しにくい素材開発を強みに、取り組みの深掘りを図る。

 日本向け以外の輸出のアイテム別売上比率は、生地と製品がほぼ半々。今後は製品の比率をさらに高める。

 今年後半以降、内販に占めるスポーツ関連の売上比率を3割まで高める。半年~1年単位で動くファッションに対し、スポーツブランドでは3年先を見据えた開発が必要になる。中長期の開発に対応できる予算や組織への転換を視野に入れている。