クラレファスニング 既存・新規も高機能品へ
2026年08月17日 (月曜日)
クラレの面ファスナー製造子会社、クラレファスニング(大阪市北区)は「マジックテープ」のブランド力や、環境対応品、成形ファスナーなどを持つ強みを生かしながら、既存・新規用途での高機能品拡大に力を入れる。既存用途は高機能品へのシフトを強め、新用途は高機能品の開発・投入による開拓に取り組む。
今期(2026年12月期)はグループの中期経営計画最終年度に当たる。同社では産業用を中心とした高機能品、独自品の拡大と、丸岡工場(福井県坂井市)の整備に取り組んだ。丸岡工場は建屋・設備の老朽化に伴い、設備の統廃合と改修に着手。品質保証・管理はデジタル技術で企業を変革するDXにより可視化し標準化。「顧客満足度を向上し、持続可能な体制を作る」(小林敬幸社長)という課題に取り組んだが、今期中に完了できる見通しだ。
一方、高機能品、独自品の拡大では産業資材用が堅調に推移したが、今後は衣料など伝統的な既存用途でも成長が見込めるとし、環境対応などを強みにユニフォームや靴、スポーツ関連なども高機能品を強化する。
その一つが2000年代中頃に発表した「Pテク」と呼ぶポリエステル100%製品。ウレタンバックコートが不要なため、生産工程でのCO2発生量を従来製法に比べ3割削減できる。
さらにモノマテリアル化で易リサイクル性が高く、国際的なリサイクル認証「RCS」(リサイクルド・クレーム・スタンダード)も取得するなど環境対応品。物性面でもPテク製品はポリウレタン不要のため、加水分解せず、耐水性、耐候性、耐熱性、難燃性も高い。
産業資材用も、成形ファスナーも含めて環境対応のほか耐熱性タイプなどの投入により、既存の自動車資材や衛生材料以外に輸送機器、メディカルなどの開拓に力を入れる。さらに海外への直接販売が10%強にとどまるため、これを引き上げることにも取り組む。成形ファスナーでは「クラレの樹脂、糸などの技術、さらに外部の技術を活用」し、さまざまな高機能品の開発にも力を入れる。
同社は国内シェア50%強とされる面ファスナーの最大手であり、マジックテープというブランド力も強みの一つだが「指名買いしてもらえるようにしたい」とし、クラレとも連携しながら、ブランド向上への手立ても講じる考えを示す。





