豊島 天然素材で差別化加速

2026年08月19日 (水曜日)

 豊島は天然繊維や再生セルロース繊維の特徴を生かした素材開発で差別化を図り、輸出を含めた生地の拡販を狙う。綿100%の生機に国内独自の染色や風合い加工を施し、付加価値を高めた生地が海外から支持を受けている。

 素材部門を統括する近藤裕幸執行役員は「綿や麻に加えて、繊度を細くして風合いを改良したジュート素材の販売も強化する」と話す。ジュートを使用した独自素材は「YAJUTE」(ヤジュート)として訴求を強める。ジュートは生育が早く、生分解性に優れるなど持続可能性の高い素材だ。インドのベンチャーと協業し、繊度を細くすることで風合いを改良した。

 綿、麻、ジュートなどの天然繊維を軸に、再生セルロース繊維のキュプラや「テンセル」リヨセルを混紡した糸使いの生地も販売が増える。天然繊維が持つしなやかさを際立たせることも可能で、素材のバリエーションが広がる。特に米国向けの引き合いが増えており、さらなる拡販を狙う。

 日本ならではの気候を生かした風合い加工や、染色整理企業が培った加工技術による生地も注目を集める。浜松支店(浜松市)が連携を深めている遠州を中心に、国内の産地企業と製造面での協業を重ねる。「国内産地に製造を依頼し続けることが、当社の使命」(近藤執行役員)とし、新たな生地の開発や販売に生かす。

 糸や生機の備蓄機能を生かして、製造期間を短縮しながら商機を逃さないことにも取り組む。浜松支店が運営する生地の電子商取引サイト「テキスタイルネット」や、生地備蓄販売「HTシリーズ」を利用する国内外の顧客に向け、対面での商談機会を設けることも視野に入れる。