ごえんぼう

2026年08月20日 (木曜日)

 「安いニッポン」という言葉が定着した。円安を背景に、訪日外国人は「品質の割に安い」と日本の商品を買い求め、百貨店などはインバウンド需要に沸く▼ファッション業界は手放しでは喜べない。輸入原料や海外生産コストは上昇し、値上げは避けられない一方、国内では価格に厳しい消費者が多く、十分な価格転嫁が難しいからだ▼それでも、日本製デニムや縫製、染色などの技術は海外で高く評価されている。円安は、日本のモノ作りを世界へ発信する好機でもある▼問題は、日本人自身が「安さ」を求め続けてきたことではないか。価格競争が続けば企業の利益は減り、人材育成や技術への投資も難しくなる。日本のファッション産業が持続的に発展するには、「安い国」ではなく「価値に見合う価格を受け入れられる国」に変わる必要がある。皮肉とも言えるが、円安を背景にモノ作りの価値を見直す時期に来ている。