この人に聞く/東レ テキスタイル事業部門長 野村 建太 氏/日本の生産基盤を守る

2026年08月25日 (火曜日)

 2026年度(27年3月期)から新たな中期経営課題がスタートした東レ。4月に就任した野村建太テキスタイル事業部門長にテキスタイル事業の課題と戦略を聞いた。

  ――26年度第1四半期(4~6月)も終わりました。

 中東情勢悪化の影響を心配していたのですが、結果的には婦人・紳士衣料、スポーツ・衣料資材、テキスタイル貿易、機能製品の4事業部とも計画を達成することができました。堅調の要因としては、例えば近年の猛暑で夏物衣料の需要が拡大する中、市場のニーズに対応した機能テキスタイルの販売が拡大しました。資材分野でも遮熱機能生地「サマーシールド」のようなヒット商品の好調が続いています。

 従来は日傘向けが中心でしたが、最近ではベビーカーのほろなど新たな用途にも広がりつつあります。

 こうした需要に対して産地での委託生産・加工も含めて効率的なモノ作りができていることが収益に貢献しました。スポーツやテキスタイル貿易に関しても有力取引先との取り組みを強めることで成果を上げています。

  ――テキスタイル事業部門としての新中経の課題と戦略は。

 海外子会社を含めてテキスタイル事業全体を拡大することと、産地を含めた国内の生産基盤を高付加価値品の開発・生産によって維持することが大きなテーマです。国内での生産は納期の長期化が課題となっていることもありますから、取引先の要望に応じて海外子会社に生産移管するなど全体最適化を進めることでリードタイムを短縮できます。

 同時に国内は高付加価値品の生産を強化し、輸出を拡大することで規模を維持する戦略です。既に中国や韓国に向けて取り組みが始まっています。

 また、ユニフォーム分野などは既にポリエステル100%品で高いシェアを持っていますから、今後はインドネシアやマレーシアの子会社も活用しながらポリエステル・綿混など短繊維テキスタイルの拡大にも努めます。その際、自社に差別化の合繊原料を持っていることが強みです。遮熱など機能素材や、環境配慮型素材による高付加価値ユニフォーム素材を提案します。

  ――テキスタイル事業部門が目指す姿は。

 テキスタイルは面白い事業ですから、それを若いスタッフにも感じてもらい、活気のある部門にしたいですね。それと、やはり〝メード・イン・ジャパン〟をしっかりと打ち出すことで北陸産地などの生産基盤を守ることが使命です。そのためには海外市場に打って出ることが欠かせません。その際、ポイントは納期対応です。現在、産地企業とも協力しながら納期短縮のための仕組み作りを進めています。