特集 染色加工(4)/新しい柱の構築に注力/飯田繊工/尾張整染/吉田染工/帝人テクロス
2026年08月28日 (金曜日)
〈飯田繊工/プリンタブル事業が伸長/染色は生産性向上〉
飯田繊工(大阪市東淀川区)の今期(2026年9月期)は、前期比約10%の増収を見込む。オリジナルウエア作成のプリンタブル事業がけん引役で、染色加工も安定して推移する。
Tシャツやトートバッグなど約10アイテムでオリジナルグッズが作成できるプリンタブル事業は前期比約2倍の売り上げとなる見通しで、来期もさらに伸ばす。足元は特にノベルティーやイベント関連が伸びている。
染色加工の稼働は安定して推移する。前年に続いてカジュアルの夏物需要が堅調で、長袖を含むTシャツやポロシャツ用の加工が順調に推移する。春からの秋冬向けも堅調で、今期は年間を通じて安定稼働する見通し。生産性向上の取り組みが進んだことも寄与している。
今後は、海外市場向けの拡大を狙い、間接輸出を含む海外比率を中期で10~20%に引き上げる計画。GRSなど国際認証も取得していく考えで、欧米以外の市場も視野に入れる。
新商品の開発も強化する考えで、フェムテック関連での開発を化学メーカと組んで進めている。
縫製事業は横ばいで、ゴルフウエアとユニフォームを柱に、自社ブランドの縫製も始めているが、学販用途の在庫調整の影響があった。
〈尾張整染/週4日稼働で利益確保/9月から加工技術展〉
尾張整染(愛知県一宮市)は週4日稼働で利益を確保するなど染色加工場として稀有な存在と言える。それを支えるのが、商品開発力と徹底した品質・工程管理で生機の投入後、1カ月で仕上げるなど短納期にも対応する。
こうした強みが発注者から評価される。今期(2027年3月期)も全分野が厳しいものの、競合相手の撤退が相次ぐほか、北陸産地の染色加工場では難しい場合がある小ロット・短納期に対応できることから、一定の受注量は確保する。
同社は本社工場と石川工場(石川県能美市)の2工場体制。カーシート地を主力とするが、昨今、強化するのはカーテンや椅子張りなどインテリア用途だ。同分野の開発案件は「増加傾向で、ホームページからの開発依頼も多い」と、中島俊広常務。
継続出展する異業種交流展「メッセ・ナゴヤ」を通じて、インテリア関連企業との取り組みも広がっており、「認知度向上に向けた施策はできる限り行う」考えだ。
開発力を発信する場として位置付けるのが「加工技術プレゼンテーション」。9月8日~10月28日、本社工場特設会場で開催する(事前予約制)。2023年以来の開催となる。
〈吉田染工/製品比率を20%へ/オープンファクトリーを拡充〉
吉田染工グループ(和歌山県紀の川市)は染色加工での新規用途開拓や製品事業の拡大などに注力する。堅調に推移する製品事業は売り上げに占める比率を20%に高める考え。
糸染めの吉田染工は、資材用途の拡大などで春まで堅調だったが、7月に入ってからは衣料用途の低迷など減速感が出ている。生地染めの貴志川工業はハイゲージ品が堅調なものの、アウター用途などが低迷。今後はインナーの回復を見込むとともに、資材など新しい用途の拡大を狙う。
一方、製品事業は堅調に推移する。吉田染工に導入している「ホールガーメント」など横編み機を使って小ロットでのOEMにも対応。現在は売り上げの10%を占めるが、今後は20%に高める計画。デザイン・プログラミングの人員を増やした。
地域住民や繊維関係者を招いて実施しているオープンファクトリーにも注力する。吉田染工の工場見学から始めたが、今年は貴志川工業と吉田工業を加えたグループ3社で実施する形にして内容を充実させる。BtoCを主体とするニットのオーダーメイドシステム「ソメカラ」のほか、動画を使った和歌山のモノ作りの紹介も行い、染色だけでなく編み立てや縫製も含めた和歌山産地全体の活性化につながるような内容としていく考え。
〈帝人テクロス/営業など尾張整染へ異動/生産部新設し一括管理〉
SUMINOEのグループ企業である、帝人テクロス(愛知県稲沢市)は4月から組織体制を大きく変更した。
同社は糸染め、糸加工、織布、編み立てなどを行う。子会社の尾張整染(愛知県一宮市)も含めて一貫生産が強みだが、各生産機能別に組織が分かれていたため、生産部として一本化し、集中管理する体制に変えた。さらに営業と生産管理の担当者は尾張整染に異動させ、本社事務所を閉鎖した。
同社は4年前から構造改革に取り組んできた。設備更新などを進めたが、効果発現には時間が掛かっていたため、大きな組織変更に踏み切った。尾張整染の常務でもある中島俊広取締役は今回の組織変更によって「生産性向上に結び付けたい」と話す。
設備体制の整備も引き続き行う。織機は9月に中古4台を導入し老朽設備を廃棄。糸染め設備はナノファイバーや紙糸などニッチなものに見合った体制した。
さらに、丸編み機(8台)は人員を含めて尾張整染に移設し、尾張整染の開発営業部の管轄に置いた。今後のスクラップ&ビルドも予定する。
中島取締役は「今期が「ターニングポイント」と強調。収益改善に向けた動きを加速していく。





